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コロニアル屋根と呼ばれるスレート屋根は、広く住宅で使われている屋根材の一つ。屋根は見た目だけでなく、住み心地も左右する大事な部分のため、適切なタイミングでその状態に見合ったリフォームを行うことが重要です。屋根のリフォームには葺き替え、カバー工法、塗装などがありますが、今回はコロニアル屋根のリフォームについて、適切なリフォームやメンテナンスの方法やかかる費用、注意点などをワコーズホームの萩原さんに伺いました。
目次
コロニアルは外装建材メーカーの「ケイミュー」が開発したスレート屋根の商品名です。スレート屋根はコロニアル以外にも、カラーベストと呼ばれることがありますが、カラーベストも同じくケイミューが提供するスレート屋根のシリーズ名です。どちらも、セメントが主成分で平たい形状のスレート屋根のことを指します。
コロニアル屋根とはスレート屋根のこと(画像/PIXTA)
コロニアル屋根は軽量で比較的価格が安く、施工性も高いことから広く住宅に使われています。その一方で、築5〜10年ほど経つと環境によっては変色などが気になることもあるようで、半永久的にもつともいわれる瓦に比べると、耐用年数が短いというデメリットもあります。
「コロニアルと呼ばれるスレート屋根(以下、コロニアル)は、価格の安さを魅力に感じて選ばれる方が多いです。また、コロニアルは平たい形状なので、そのモダンな雰囲気のデザインが気に入って採用するという方もいらっしゃいます。
以前使用されていたアスベスト入りのコロニアルは、アスベストで強度を持たせた屋根材だったため、現在流通しているものよりも耐久性がありましたが、いま住宅で使用されているコロニアルはアスベストを含まないものになるので、アスベスト入りのコロニアルよりも比較的割れやすかったり、表面が劣化しやすかったりするということがあります。
経年変化については商品によっても異なりますが、アスベストを含まないコロニアルの場合、20年程度でカバー工法(重ね葺き)や葺き替えなどが必要な状態になることが多いと思います」(ワコーズホーム 萩原さん、以下同)
アスベストは2006年の労働安全衛生法施行令の改正により、0.1%以上アスベストを含む製品の製造、輸入、譲渡、提供、使用が禁止されています。そのため、前述のように、現在流通しているコロニアルにはアスベストが含まれていませんが、全面的に禁止される以前の製品については、コロニアル屋根はアスベストを使用している可能性があります。
コロニアルに含まれるアスベストはセメントの中に混ぜられているため飛散しにくく、アスベスト入りのコロニアルが施工されていることで、アスベストの健康被害を過度に不安に思う必要はありません。また、アスベストは強度を持たせるために使用されていたため、アスベスト入りのコロニアルのほうが、アスベストを含まないものよりも強度が高く、比較的耐用年数は長くなっています。劣化が気にならない状態であれば、アスベスト入りのコロニアルだからといって、無理に急いで交換する必要はありません。
2006年よりも前に建てられた家のコロニアル屋根は、アスベスト入りの可能性がある(画像/PIXTA)
耐久性という面では優位性のあるアスベスト入りのコロニアルですが、葺き替えなどの屋根材を撤去するリフォームの際には処分するのにアスベスト処理代が必要になるため、ノンアスベストのコロニアルよりも費用がかかるという点は注意したいポイントです。
「2006年以降に建てられた家の場合は心配ありませんが、それ以前に建てられた家の場合は、アスベストを含むコロニアルが使用されている可能性があります。また、ノンアスベストの屋根材へ移行される境目のような時期に建てられた家の場合、アスベストの有無はわからないことも多いので、リフォームの際には検査機関などで調べる必要があります。
また、アスベストを含むコロニアルの葺き替えリフォームをする場合は、撤去したコロニアルを処分する必要があります。そのようなリフォームの際にはアスベストの処理費用がかかるため、ノンアスベストの場合と比較すると10万円くらい(※)は費用に差は出てくると思います」
※一般的な一戸建て住宅、屋根面積100㎡〜120㎡程度の場合で、アスベストを含むコロニアルの処分が発生するリフォームを想定
屋根のリフォームの場合、自宅に住んだままリフォームを行うことも少なくありません。アスベスト入りのコロニアル屋根の場合、住みながらのリフォームを不安に思う人もいるかもしれませんが、リフォームの際に屋根からコロニアルを取り外す程度では、屋根材に含まれるアスベストが飛散することはほとんどないといいます。
もちろん、大規模なリフォームの場合、仮住まいが必要なケースはありますが、アスベスト入りのコロニアルのリフォームだからという理由で、工事期間中の仮住まいが必要になるという可能性はほぼありません。
(画像/PIXTA)
屋根のリフォームといえば、塗装、カバー工法(重ね葺き)、葺き替えと主に3つの選択肢がありますが、葺き替えは既存の屋根を撤去して、新しい屋根にするリフォームです。
葺き替えは既存の屋根の劣化がひどい場合のリフォーム方法です。葺き替えリフォームの流れとしては、まずは既存の屋根を撤去し、野地板など、屋根の下地が傷んでいる場合は新しいものに交換するため、カバー工法(重ね葺き)などよりも大掛かりで費用もかかります。
「葺き替える屋根材を何にするにせよ、リフォームの際に下地の状態はしっかりと確認する必要があります。金属系の屋根材などに葺き替える場合は(※)、下地の状態に問題がなければ下地を交換せずに葺き替えることもありますが、下地に腐食が見られるなど、状態が良くない場合は葺き替えの際に下地も交換します。
また、築年数の古い家の場合は、野地にバラ板が用いられていることがあります。バラ板とは細長い板を何本も並べたような下地ですが、このような下地の場合は、その上に構造用合板を増し張りした上で、新しい屋根を葺いていきます」
※コロニアルへの葺き替えの場合、原則下地の交換が必須
コロニアル屋根の葺き替えリフォームにかかる費用は、屋根の面積に加え、下地の交換の有無や、採用する屋根材、アスベストの処理が発生するかどうかなどに左右されます。
かかる費用の目安としては、コロニアル屋根の葺き替えリフォームの場合、屋根面積100㎡〜120㎡程度の一戸建てのケースで、200万〜250万円が相場ということです。
また、屋根のリフォームの場合は必ず足場をつくる必要があり、一般的な30坪程度の一戸建ての場合、15万円前後の足場代も発生します。足場を組むには費用もかかるため、いずれ外壁などのリフォームも考えているという場合は、一度に行ってしまうことを検討するのもいいでしょう。
◾️コロニアル屋根葺き替えリフォームの費用目安
葺き替え費用(下地交換あり) | 200万〜250万円 |
足場代 | 15万円前後 |
※30坪程度の一戸建て住宅、屋根面積100㎡〜120㎡の場合
※屋根材などによって実際の費用は異なる
カバー工法(重ね葺き)によるリフォームとは、既存の屋根の上に新しい屋根材を葺くリフォームです。カバー工法によるリフォームは既存の屋根材を取り除く作業が不要なため、工期も比較的短くすみます。屋根の見栄えを良くすることができ、葺き替えリフォームよりも費用を抑えることができるという点が魅力です。
屋根の下地に問題がなければアスベストの有無にかかわらず、カバー工法によるリフォームが可能です。
「コロニアル屋根の見た目がかなり劣化していても、下地の状態に問題がなければ、カバー工法によるリフォームは可能です。カバー工法によるリフォームは既存の屋根材の上にルーフィングシートを敷き、その上に新たな屋根材を重ねるため、既存のコロニアルが欠けていたり、ヒビが入っていたりするような状態でも施工することができます。
また、アスベスト入りのコロニアルの場合でも、アスベストは飛散したものを吸い込むことが健康被害につながりますが、カバー工法によるリフォームを行うことで、アスベストを封じ込めることもできるため、不安の軽減にもつながります」
ただし、先にも記述したとおり、カバー工法によるリフォームは下地に問題がない場合に限ります。雨漏りがあるなど、下地の交換が必要な場合はカバー工法ではなく、葺き替えによるリフォームをすることになります。
カバー工法によるリフォームの場合は、葺き替えリフォームのように既存の屋根材を取り外して処分する必要がないため、費用を抑えられるのが魅力です。
前述したように、葺き替えリフォーム費用の相場が200万〜250万円程度であるのに対し、同じような条件の住宅でカバー工法によるリフォームを行う場合、相場の目安は150万〜200万円となるそうです。
なお、カバー工法の場合も葺き替えの場合と同じく、足場を設置する費用がかかります。
◾️コロニアル屋根カバー工法(重ね葺き)リフォームの費用目安
カバー工法(重ね葺き)費用 | 150万〜200万円 |
足場代 | 15万円前後 |
※30坪程度の一戸建て住宅、屋根面積100㎡〜120㎡の場合
※屋根材などによって実際の費用は異なる
コロニアル屋根は環境によっては5〜10年で色褪せなど、見た目の劣化が気になることがあり、その場合は塗装によって見栄えを良くすることを検討する人も少なくありません。しかし、コロニアルの場合は、安易に塗装を選択することで、下地の劣化を早めてしまうこともあるそうです。
「コロニアル屋根の場合、10年ほどで見た目が気になる状態になることが少なくありません。見た目の劣化が気になったタイミングで、はじめに検討するのは塗装だと思いますが、コロニアル屋根を何度も塗装することはあまりおすすめできません。
コロニアル屋根を塗装することで、見た目を良くすることはできるので、1回目のメンテナンスは塗装を選択してもいいかもしれませんが、塗料によって目詰まりを起こすと、下地の劣化を早める可能性もあります。塗装によるリフォームは多くても2回が限度と考えておきましょう」
コロニアルは瓦などに比べると見た目が気になるタイミングが早いものです。家を建ててから10年くらいのタイミングでカバー工法を検討するのは気が引けるかもしれませんが、そのタイミングで塗装をするよりも、先を見据えてカバー工法を早めに行うほうが、結果的に1回分の塗装費用を節約できるという考え方もあります。
「1回目のメンテナンスのタイミングで必ずしも塗装を選択する必要はありません。早い段階でカバー工法を行うというのも、選択肢の一つです」
コロニアル屋根の一部に欠けや剥がれがある場合は部分的な補修で十分な場合もあります。ただし、部分補修についても、葺き替えやカバー工法、塗装などのリフォーム同様、足場を組む必要があるため、足場代はかかることになります。
足場の必要なリフォームを複数回に分けて行うと、足場代がその都度かかることになるので、部分的な欠けや剥がれが気になる場合は、屋根全体のリフォームは必要ないか、また他の外壁などの部分で同時にリフォームを行うとよい部分はないか、併せて検討してみると、長い目で考えた場合の無駄なコストを抑えることにつながるかもしれません。
コロニアル屋根から瓦屋根へ葺き替えたいと考える人もいるかもしれませんが、瓦屋根はコロニアルよりも格段に重たい屋根材です。
家を建てるときには屋根の重さも考慮して建物を設計しているため、リフォームの際に重たい屋根材に変更してしまうと、耐震基準を満たせなくなる恐れがあります。建物の強度の問題があるため、コロニアルから瓦屋根への葺き替えは原則できないと考えておきましょう。
(画像/PIXTA)
コロニアル屋根を葺き替える場合、新しくコロニアルを葺くのではなく、ガルバリウムなど、金属製の屋根材を採用するケースが多いそうですが、屋根材を選ぶ際には屋根の勾配についても注意が必要です。
「雨水をきちんと流すために、屋根材ごとに対応できる屋根の勾配が決められています。特に勾配が2寸5分など、3寸に満たないような緩い勾配の屋根の場合、屋根材や葺き方の選択肢が限られることがあると考えておきましょう。
屋根材ごとに対応できる勾配が決められているため、自分の住まいの屋根の勾配が希望の屋根材の対応勾配に満たないのであれば、その屋根材を葺くことはできません。葺き替えで屋根材を変更したい場合は、既存の屋根の勾配に見合う選択肢の中から検討することになります」
台風などの災害でコロニアル屋根が剥がれたり、破損したときは、部分的な交換修理などの費用に火災保険が適用されることもあります。
ただし、その破損などの原因が経年劣化などではなく、その破損を引き起こしたものでなければ火災保険は適用されないため、その破損が申請対象に値するのを証明することはなかなか難しいというケースも多いそうです。
実際に火災保険の適用範囲となる屋根の破損がある場合は、被害を受けた時点から間をおかず、できるだけ迅速に火災保険の対応に実績のある修理業者に相談をするようにしましょう。
(画像/PIXTA)
屋根のリフォームの場合、瓦屋根を軽量の屋根材に葺き替えるようなリフォームは耐震化などにつながるため、自治体によっては助成金の対象となる可能性がありますが、もともと軽量のコロニアルの場合、葺き替えリフォームが支援対象になることは期待できません。
なお、居住する地域によっては、遮熱塗料による塗装や、三世代同居などを目的とした場合のリフォームなどに対し独自の助成制度を用意している自治体もあるので、屋根リフォームの際に利用できる補助金があるかどうかは、自治体の窓口などに早めに確認するようにしましょう。
コロニアル屋根は広く住宅で使用されていますが、5年〜10年ほどで見た目が気になることもある屋根材です。今回ご紹介した、葺き替えリフォームやカバー工法(重ね葺き)によるリフォーム、塗装などについての情報も参考に、早めにメンテナンスの計画を立てておくのが安心です。
・コロニアル屋根はスレート屋根、カラーベストと同じ
・2006年以前に建てた家の場合はアスベストを含むコロニアル屋根を採用している可能性がある
・下地の劣化も気になる場合は葺き替えリフォームを検討する
・下地に問題がなく、美観が気になる場合はカバー工法や塗装でもOK
■取材協力/ワコーズホーム
■構成・取材・文/島田美那子
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