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中庭のある家にしたい!中庭のメリット・デメリットと後悔しないためのポイントを紹介

  • 最終更新日:2024-04-26

中庭のある家にしたい!中庭のメリット・デメリットと後悔しないためのポイントを紹介

隣家が迫り、室内の日当たりがイマイチ。外空間を楽しみたいけれど、通りからの視線が気になる。そんな悩みを解決するのが、中庭です。この記事では、リフォームやリノベーションで中庭をつくるメリットとデメリット、後悔しないためのポイントなどについて解説します。中庭のタイプや事例もご紹介するので、ぜひ参考にしてください。

目次

1.中庭(パティオ)とは?つくるメリットは?

「中庭(パティオ)」とは、建物と建物の間や、家と家の中間にある庭のことで、日本の住宅では「建物内部の壁などで囲われている庭」を指すのが一般的です。中庭をつくるメリットには、次のようなものがあります。

1-1.部屋の明るさが増す

通常、住宅の北側部分は日当たりのいい南側に窓が設けられず、暗くなりがちです。
また、住宅が密集する都市部では、隣家に日差しが遮られてしまうことも多くみられます。

中庭があれば、全方位に開口部が取れ、家中を明るくすることが可能です。

1-2.セキュリティを保ちつつ空気の入れ替えができる

気候のいい日は窓を開け放ち、自然の風を取り込みたいもの。ただ、窓が道路側に面している場合、開けっ放しは防犯面でのリスクが大きく、躊躇してしまいます。
しかし、中庭に面した窓であれば、開けっ放しにしておいても安心です。

また、中庭をつくると必然的に家全体の開口部も多くなるため、どの方向からの風も通しやすいというメリットもあります。

1-3.プライバシーを守り、外空間を楽しめる

自宅に外空間があれば、子どもの水遊びや物干しなどに活用できますが、場所によっては、隣家や通りからの視線が気になることも。

外から見えない中庭ならプライバシーを守りつつ外空間を味わうことが可能で、室内からもカーテンなどで視線を遮ることなく中庭の風景を楽しめます。

ほかにも、バーベキューやお茶、日曜大工、ガーデニングなど、家の中にいながらアウトドア感覚の趣味を満喫できるのも魅力です。
また、外に面した庭のように、小さなお子さんが家の敷地外へ出てしまう心配がない点もメリットといえます。

2.中庭(パティオ)付きの家の形

中庭付きの家の形は「コの字型」「ロの字型」「L字型」のいずれかになります。

それぞれの特徴を見ていきましょう。

2-1.コの字型

家を「コ」の字の形にし、中庭スペースをつくります。
中庭すべてを建物で取り込む形ではないため、広々したイメージになります。

2-2.ロの字型

家を「ロ」の字の形にし、中央に中庭スペースをつくります。
四方が家で囲まれているため、完全にプライベートな中庭にできる一方、排水には注意が必要です。

また、中庭が中央にあるため、生活動線や家事動線もしっかり設計しなくてはなりません。

2-3.L字型

家を「L」の字の形にし、隣家や道路からの視線が気にならない場所に中庭をつくります。
住まいの南側に建物などがあっても、中庭により日当たりを確保できます。

いずれの形の中庭も、ただ設置すればよいわけではなく、建物の向きなどあらゆる条件を加味することが大切です。配慮不足により採光を阻害してしまえば、光が十分に届かない暗い部屋になりかねません。

3.中庭(パティオ)のデメリット

とても魅力的な中庭ですが、メリットばかりではありません。中庭をつくるデメリットには、次のようなものがあります。

3-1.リフォーム・建築にかかるコストが高め

一般的に、外壁や家の角が多いと、建築費はより高額になります。中庭をつくると、どうしても外壁や角が増えるため、費用がかさみがちです。なかでも、いちばん建築コストがかかる傾向にあるのが「ロの字型」で、続いて「コの字型」「L字型」と考えればよいでしょう。

3-2.居住スペースが削られる・動線が長くなる

中庭をつくった分、屋根のある居住スペースは狭くなります。そもそもの敷地面積が狭い家では不便になってしまうこともあるでしょう。また、中庭が家事動線などの途中にある場合、雨の日などは家の中をぐるりと回ることになり、動線が長くなるのが懸念事項です。

3-3.冷暖房の効率が落ちる

中庭には庭に出るためのサッシ窓などが欠かせません。その分窓ガラスの数が多くなり、断熱性能が落ちやすいといえます。中庭がない間取りと比べて、冷暖房費がかかる傾向にあるので要注意です。

3-4.熱・湿気がこもる

中庭の設計やエアコンの室外機の置き場所によっては、中庭に熱や湿気がこもってしまいます。一般的に中庭の設計や施工は難易度が高く、特に四面で囲まれるタイプのロの字型の中庭は、デザインミスも多いとされています。

4.中庭(パティオ)で後悔しないためのポイント

設置後、後悔しないために。以下の点を考慮することで、より良い中庭にすることができます。

4-1.予算に余裕を持つ

中庭をつくるにあたり、建物の形状が複雑になります。外壁面が増えたり、家の強度を確保する必要があったりするため、単純な形に比べコストがかかります。

採光のためのサッシや中庭自体の工事費用、給水・排水設備などの費用も発生するほか、設計・施工の難易度に見合う腕のいい設計士や経験豊富な職人に依頼するには、人件費もそれなりに必要です。

外壁部や設備が多い分、住み始めてからのメンテナンス費も多めに見積もっておきましょう。

4-2.居住スペースが減ることに配慮する

中庭の分だけ居住スペースが削られるので、どの程度の居住スペースを確保すべきか、将来も見据えて考える必要があります。特にリフォームやリノベーションで中庭をつくる場合は、現在の居住スペースが減ってしまっても支障がないか、よく検討しましょう。

お子さんが巣立ったり、生活スタイルが変わったりして、中庭がいらなくなったときの再利用法も想定しておけると万全です。

4-3.排水場所を確保し、湿気対策をする

中庭には、排水設備を設けるなどの排水計画が必要です。
排水がきちんとなされないと中庭が常にジメジメし、湿気がたまりやすくなるだけでなく、蚊が発生して不快な場所になってしまいます。

集中豪雨などで大量の雨が降ると、中庭部分がプール状になってしまうことも。特に四方を建物に囲まれている「ロの字型」の中庭は注意が必要です。

4-4.断熱性や耐震性に配慮した窓を選ぶ

窓が多い中庭付きの家は、夏は外気を取り込んで暑くなり、冬は暖かい空気が逃げて寒くなりがちです。
対策としては、ペアガラスやトリプルガラスなど断熱性能が高い窓にするのがおすすめです。

また、中庭に向かって開口部を広くとっている場合、耐震性に問題がでないかどうかも確認しましょう。

4-5.庭のお手入れが楽しくなる工夫をする

快適な中庭にするには、プランニングと維持管理が重要です。
排水設備と通風・採光計画をしっかりと行い、日々のメンテナンスにどの程度の労力が割けるかを見極め、自分たちに見合った中庭をつくりましょう。

たとえば、子育て世帯に人気の天然芝は、芝刈りなどこまめな手入れが必要です。一方、樹脂性のウッドデッキやタイルであれば、メンテナンスも比較的容易といえます。

4-6.生活動線・家事動線を考える

「ロの字型」「コの字型」のプランの場合、中庭を通ることで部屋移動がショートカットでき、生活動線・家事動線を短くできます。

そのためには、いつでも中庭に足を踏み入れられるよう、芝生・植栽の剪定や掃除など、定期的な維持管理が必要です。
中庭ありきで生活動線・家事動線を考えると、中庭が使えなくなった場合に不便な間取りになりかねません。

将来的なライフスタイルも考慮し、中庭の形や配置をプランニングしましょう。

5.中庭(パティオ)のリフォーム事例をチェック

ここからは、中庭(パティオ)のリフォーム事例を見ていきましょう。納戸を中庭につくり変えたり、和風の庭園を洋風にリフォームしたりと、さまざまなアイデアが見られますよ。

5-1.【50万円】納戸を中庭(パティオ)にリフォームし癒やしの空間に

マンションの納戸だった場所を中庭にリフォーム。壁の一部に調湿機能を持つ壁材を取り入れ、デザイン性と実用性を両立したおしゃれな空間になりました。

【築年数】11〜15年
【工期(全体)】1ヶ月
【家族構成】不明

浴室の大きな窓からの眺めも抜群です。

事例の詳細:パティオ(中庭)で癒しの空間を満喫

5-2.【175万円】自然な雰囲気で四季を楽しむ中庭(パティオ)

敷地の中に中庭が5つある家。中庭には面した部屋に見合う植栽をし、自然な雰囲気で四季が楽しめます。

【築年数】1〜5年
【工期(全体)】5日
【家族構成】夫婦

背の高い植木が開放感のある中庭によく映えます。

事例の詳細:【新築】家の中心で四季を感じる庭

5-3.【250万円】大胆な色使いで生まれ変わった中庭(パティオ)

観賞用だけの和風庭園をリフォームし、生活空間の一部へと広げた事例です。撤去が難しい植栽がありましたが、一部を取り除き、床材や壁を新調したことで空間の表情が一変。洋風の中庭に生まれ変わりました。

【築年数】16〜20年
【工期(全体)】3ヶ月以上
【家族構成】大人(20歳~60歳)2人

もともと和風の庭園だったとは思えないほどおしゃれな洋風の中庭になりました。

事例の詳細:ゲストハウスリフォーム

6.申請が通らない住宅ローンも中庭のある間取りで解決できる?

中古住宅の取得にあわせてリフォーム・リノベーションを検討する際、住宅ローンの借り入れで費用をまかなおうと考える方も多いでしょう。
しかし、その住宅が既存不適格だった場合には、ローンが組めません。

そのようなケースでも、中庭をつくることで条件をクリアできる可能性があります。

6-1.既存不適格の住まいを減築でクリア

既存不適格とは、現在の法律に対して不適格な部分が生じてしまった建物のこと。
建築当初は合法であっても、その後の法律改正や都市計画変更などによって建ぺい率がオーバーするなど、不適格となってしまう場合があります。

既存不適格物件をリフォーム・リノベーションする際に困るのが、住宅ローン。既存不適格のままでは担保価値がないとみなされ、住宅ローンが借りられないのです。

これを解決する方法のひとつに、「減築」があります。建ぺい率オーバーの物件であれば、オーバー分を減築して床面積を減らすことで、現行法に適合させることが可能です。

6-2.中庭のリフォーム・リノベーションで減築するメリット

床面積を減らすために中庭をつくると、以下のようなさまざまなメリットが生まれます。

減築しても狭く感じない

中庭に居住スペースと床の高さが合うようデッキなどを設置すれば、屋内外が一体化したアウトドアリビングに。バーベキューやティータイムを楽しむ場所として、工夫しだいでより生活が充実します。

中庭を活用することで、減築しても狭さを感じずに暮らすことが可能です。

採光・通風がよくなる

減築する分を中庭に変えれば、採光・通風がよくなり家の中に明るさと開放感が出ます。部屋が明るくなり中庭へ視線も抜けるため、かえって広々と感じられることも。

固定資産税を抑えられる

固定資産税は延床面積と比例するため、減築で延床面積を小さくすれば、固定資産税も少なくなります。

6-3.減築をする際の注意点

床面積を減らす減築は、ある程度の部屋数が必要な家には向いていません。ローンの関係などでどうしても減築せざるを得ない場合、既存の部屋の機能を中庭に持たせるなど、プランの工夫でカバーしましょう。

また、減築にあたって建物の形状も変わるため、耐震性に問題が生じないか確認を。耐震補強の追加工事が必要となる場合もあります。

減築は大規模な工事をともなうケースも多いので、費用や工期に余裕を持っておくと安心です。

7.中庭のある間取りへのリフォームで、暮らしを快適に

中庭のリフォーム・リノベーションはプランニングが命。
設計・施工の難易度が高い中庭は、光の方向や敷地、家の形状など多くの条件を加味してバランスを取りながらプランニングしないと、うまく機能しないばかりか、かえってマイナスの効果を生んでしまうことも考えられます。提案力の高い、信頼できるリフォーム会社に相談しましょう。

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