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雨漏りと言えば、屋根が原因で起きるというイメージがありますが、実際はさまざまな箇所で起きる現象です。壁や窓サッシなどの壁面部分や、ベランダやバルコニー、そして屋上が原因となることも多いのです。
雨漏りの修理にかかる費用は、原因となる箇所によっても違います。相場は下記の通りです。
修理にかかる費用の相場に幅があるのは、発生箇所や雨漏りの範囲などによって差が出るためです。修理に使う素材の質や、足場設置の有無、依頼するリフォーム会社の手数料によっても費用の総額は変わります。
雨漏りの修理をするためには、まず、雨漏りの原因となっている箇所を突き止める必要があります。雨漏りの厄介なところは、必ずしも原因が真上にあるとは限らないこと。雨漏りの再発を防ぐためにも、原因特定はとても大切なプロセスになります。
雨漏りの原因特定に使われる主な方法と費用相場を見てみましょう。
・散水調査
雨漏りの原因となっていると思われる箇所に実際に水をまき、雨漏りを再現して原因を特定する調査方法です。費用の相場は0~30万円ほどです。
・サーモグラフィー調査
温度分析ができるサーモグラフィーの特徴を生かして、周囲より温度が低い漏水箇所を見つけ出す方法です。費用の相場は10万~40万円ほどです。
・発光液調査
専用ライトを当てると光る発光液を雨漏りの原因となっていると思われる箇所から投入し、光らせて確認することで経路や原因を突き止める方法です。費用の相場は5万~20万円ほどです。
・解体(目視)調査
解体調査とは壁や天井などの一部を取り除き、原因となっている箇所を確認する調査です。雨水の侵入口側は、目視で確認します。費用の相場は 0~10万円ほどです。
雨漏り修理をすることになった場合、原因調査から修理完了までどれくらいの日数がかかるものなのでしょうか。雨漏りの原因となることが多い屋根の修理と外壁の修理を例に、修理の工程とその期間を追って見てみましょう。
原因の特定調査に実際にかかる期間は、おおむね半日~1日です。ただ、ピンポイントで水を撒いて原因箇所を突き止める散水調査などは雨天時には行えないため、調査予定日に雨が降ると調査が延期になることがあります。
調査をスムーズに進めるためには、事前に建物の構造や築年数、雨漏りの箇所などを伝えておくといいでしょう。
また、雨漏りが発生し始めた時期や、発生している場所、雨の降り方と雨漏りが始まるタイミングや量なども説明できるようにしておきましょう。雨漏りが発生時の写真や動画などがあると、より状況が伝わりやすくなります。
雨漏りの原因箇所が特定されたら、必要に応じて足場を組むことになります。一般的な住宅の場合、足場を組む作業は1日程度で終わります。
雨漏りの修理部分が1階部分のみの場合などは、足場を組む必要がないこともあります。
屋根のおもな工事と工事に必要な期間は次のとおりです。
・防水コーキング
コーキング材を使って屋根の防水工事を行います。工事期間は1週間~10日前後です。
・瓦の部分的な修理
屋根全体に問題はなく、瓦の部分的な補修・交換で済む場合は半日程度です。葺きなおしまではいかないけれど、全体的に修理が必要な場合は5日~1週間となります。
・屋根の塗装
塗装には、劣化を防ぐという目的もあり、瓦の塗装を行うことで瓦自体を保護することができます。工事期間は2週間程度です。
・屋根材の張替・葺きなおし
表面だけでなく、屋根本体に損傷があった場合などは屋根の張替え葺きなおしが必要となります。工事期間は1週間程度です。
次に、外壁のおもな工事と工事に必要な期間も見ていきましょう。
・ひび割れ補修
外壁にできたひび割れは見た目の問題だけではなく、雨の侵入口にもなるため補修工事を行い雨水が入らないように補修します。工事期間は1週間程度です。
・外壁塗装塗り替え
屋根と同じく、塗装は外壁の強度を上げるためにも有効な方法です。工事期間は、1週間~2週間です。
・外壁材の張替
外壁の劣化が激しい場合や、長年の雨漏りで内部の腐食が進んでいる場合などは、外壁材の張替えを行う必要があります。工事期間は 2週間~4週間です。
・サッシの水切りコーキング
サッシと水切りの間にある劣化したコーキングを修理する工事です。しっかりとコーキングすることで、サッシ廻りからの雨水の侵入を防ぐことができます。工事期間は 3週間前後です。
雨漏りの修理は専門的な知識と技術を必要とする作業で、建物を守るためにも必ず専門の会社に依頼する必要があります。けれど、状況によってはすぐに調査や修理に来てもらえるとは限りません。
雨漏りの箇所や程度にもよりますが、自分で応急処置をすることもできますので、その方法をご紹介しましょう。
ホームセンターなどで売られている、防水テープはサッシや屋根裏などの雨漏りの応急処置に役立ちます。防水テープにはアルミ製やゴム製があり、手でも切れるなど扱いやすさではゴム製が勝りますが、耐候性・耐久性ではアルミ製が優れています。
防水テープは屋根裏や窓サッシなどの雨漏りに有効ですが、雨水がテープの上をスムーズに流れ落ちるように貼るのがポイントです。
窓サッシであれば、サッシ下に横向きに貼り、次に両脇に縦、最後に上に横向きで貼ると水が上から下へと流れ落ちます。
雨漏りの応急処置が終わると、次に気になるのは雨漏りでできてしまった壁や天井のシミではないでしょうか。このシミは中性洗剤や漂白剤を使うことで、目立たなくすることができます。
方法は下記の通りです。
なお、壁の材質によっては、この方法では落とせないこともありますので、目立たないところで効果があるか試してから行うようにしてください。
雨漏りの修理に火災保険が適用されるという話を聞いたことがあるでしょうか?火災保険に風水害に対する補償がついていれば、雨漏りの修理にも火災保険が適用される可能性があります。
ただし、適用には条件があり、必ず適用されるというわけではありません。まず必要な条件としては、雨漏りの原因が風水害であること。台風により、建物の一部が損傷してそこから雨漏りが始まった場合などが該当します。
一方で経年劣化により建物が損傷し、そこから雨水が侵入し雨漏りが起きた場合、火災保険は適用されません。その他にも適用されるかどうかは火災保険によって異なりますので、加入している保険会社に確認する必要があります。
雨漏りが起きると、屋根や外壁、天井や部屋の壁など見える部分のみならず、壁の内部や天井裏などにも大きな損傷を与えます。結果として、雨漏りの影響を受けた期間と範囲が広がれば広がるほど、修繕にも時間とお金がかかることになります。
逆に言えば、こまめに点検し修理することで、雨漏りによるリスクを回避し、結果として修理費用も安く抑えられるでしょう。
ベランダ・バルコニー・屋上は 5~15年ごと、外壁・屋根は10年ごと、窓・天窓は10~20年ごとが点検の目安です。
雨漏り修理は、リフォームの中でも難易度の高い分野です。知識や経験が十分でない会社に依頼してしまうと、雨漏りが再発したり、新たなトラブルの原因となったりすることがあります。
雨漏り修理の依頼で失敗しないために、押さえておきたい注意点にはどのようなものがあるのでしょうか。
参考になる一つの指標としては資格試験の認定者がいる会社を選ぶという方法があります。
例えば、NPO法人雨漏り診断士協会が認定する『雨漏り検診士』は雨漏りに特化した知識と経験を持つ人に与えられる資格です。NPO法人雨漏り診断士協会では、資格試験の他、スキルアップのための講習会なども定期的に開催しています。
また、一般社団法人日本建築板金協会が認定する『建築板金基幹技能者』は屋根や外装のスペシャリストの証です。この試験は、受験資格が厳しく屋根や外壁工事の経験と知識を豊富に持ち合わせた人しか得ることのできない資格です。
有資格者の情報は、各協会のホームページで確認することができます。
確かな技術を持っている会社に依頼すれば、修理に問題が生じる可能性は低くなります。ただ、100%大丈夫かというとそうも言いきれないのが雨漏りです。
万が一、修理箇所に問題が生じた場合でも、「◯年保証」などがついていれば新たな負担なく再修理が依頼できるので安心です。
雨漏り修理にはどのようなものがあるのか、実際の施工事例を見ていくことにしましょう。
屋根からの雨漏りの事例です。屋根を補修し、雨漏りのシミがついたクロスを張り替えました。
事例の詳細:雨漏り補修とクロスの貼り替えで綺麗な洋間に
防水シートが剥がれていた車庫の屋根の防水工事と、壁の塗装を行いました。
事例の詳細:雨漏りを解消!車庫補修工事
天窓からの雨漏りの工事の事例です。天窓のひび割れと、雨漏りの修理を行いました。
事例の詳細:トップライトの雨漏り修理
長期間に渡る雨漏りが疑われる例です。雨漏りにあった建材には腐食も見られます。
事例の詳細:屋根からの雨漏りを直してから押入れを直しました
瓦にズレが生じ雨漏りが発生していた事例です。下地の交換を行い、金属製の屋根へ葺きかえも行いました。
事例の詳細:築60年の雨漏りがしていた瓦屋根を軽くて丈夫な金属屋根に
雨漏りの修理は、原因となっている箇所の調査から実際の工事まで、すべての工程において経験と知識と技術が必要となってくるリフォームです。
雨漏りは天井からポタポタと落ちてくるばかりでなく、壁の中を伝って、建物の柱などに損傷を与えることもあり、そうなると、修繕も大変になってきます。
もし、今、雨漏りが起きているならば、一刻も早くプロに修理をお願いしましょう。また、今は異常を感じられない場合も、見えないところで雨漏りが発生しているかもしれません。
建物を良い状態で長持ちさせるためにも、確かな技術を持ったプロから定期的な雨漏り点検を受けることが大切です。
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