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ライフスタイルの変化に伴い押入れをクローゼットにしたいと考えていらっしゃる方が増えています。押入れは奥行きもあり広さは十分ですが、収納しにくく思うように片付かない場合も。その上、お部屋の雰囲気と合わないということも悩みです。今回は押入れをクローゼットにリフォームする場合の注意点とDIYでもできるリフォームのアイディア、そしてリフォーム会社の施工実例を費用や工期とともに紹介します。
目次
押入れをクローゼットにリフォームした方が、現在のライフスタイルには合うようです。押入れをクローゼットにリフォームすることは可能ですが、どのように使うかを考えてどの部分をリフォームするかを考えましょう。押入れは、和室での生活を基本にしてデザインされている収納庫です。基本的に布団を保管するために作られており、奥行きがクローゼットに比べると若干深く作られています。上下二段に分かれ、別に天袋が付いているタイプが一般的です。
クローゼットにリフォームする場合は、ライフスタイルを見直しどのように使うか、何を入れるかを考えてデザインすることが必要です。クローゼットと一口に言ってもサイズやドアのスタイルなどが異なります。
まず現在の押入れの形がどのくらいなのかを知ってデザインしましょう。一般的な押入れサイズを紹介しますので、ご自宅の押入れと比べてみてください。
日本家屋のサイズは基本を「尺」という日本式の測り方で作っています。尺は約30cmで、間口が6尺、奥行きが3尺です。つまり幅が180cm、奥行きが90cmということになりますが、最近の家屋はこのサイズより小さめで、間口が平均170cm前後、高さは、上段が約100cm、下段が約70cm、奥行きは約80cmです。奥行きが約75cmの場合もありますが、どちらにしても押入れは深すぎて使いにくいです。
押入れとクローゼットはそれぞれ利用方法や収納するアイテムが異なります。そのためリフォームするにあたっていくつか注意したいことがあります。
伝統的な押入れの床は、重量に耐えられるように補強していない場合があります。下地を組まず、薄いベニヤ板が貼ってあるだけのものは、クローゼットにして棚などを設置できない可能性があります。
クローゼットや押入れは、湿気があり結露しやすくカビの発生が問題です。結露の原因は、外部からの熱でこもった空気が温まってしまうこと。外壁に接する場所に断熱材を入れておくと結露予防になります。その他、調湿性のあるクロスを貼っておくと、湿気を調節し理想的な環境に近づけることができます。扉にルーバーがついたタイプのように密閉しない環境にするのも有効です。
最初にDIYをしてもよいと許可をもらった特別な契約をしている場合を除き、賃貸では退去時に原状復帰することを義務付けられています。賃貸の場合は、ふすまを取り外してカーテンにする程度のことしかできません。ふすまはきちんと保管することを忘れないでください。
押入れをクローゼットにするとライフスタイルにも合い、収納しやすくなります。予算を抑えられる自分自身で押入れをクローゼットにできる簡単な方法をいくつか紹介するので参考にしてください。
ふすまを取り外してカーテンを設置すればそれだけで部屋の雰囲気が変わります。デザイン的なことだけではなく、幅広のものを収納する際にも便利。ふすまなど引き戸の場合、開いても半分の幅ですが、カーテンなら全開が可能です。
カーテンレールを設置したくても賃貸の場合は穴を開けてしまうためできません。その場合は突っ張り棒を使い、リングを通すことでカーテンを設置できます。
突っ張り棒なら安価で手軽につけられますが、カーテンがあまり重い素材ですと落ちてしまうという欠点も。また、突っ張り棒をポールとして利用する場合もあるかもしれません。その場合も冬服のコートのように重量のあるものが多いと、支えられないことがデメリットです。
押入れはクローゼットに比べると奥行きがあるため、奥にものを置くと取りにくいことがデメリット。ハンガーラックを設置することで、このデメリットがカバーできます。ハンガーラックにはいろいろなデザインのものがそろっていますので、好みのものを選ぶとよいでしょう。伸縮自在のタイプなら押入れの大きさに合わせて設置できます。
奥行きが深い押し入れに設定するため、パイプ部分がスライドして簡単に出し入れできるタイプを設置しましょう。キャスター付きならハンガーラックを全部取り出せるため、衣類の入れ替えや選択の際に便利です。
ハンガーラックの場合、ラックの脚の部分が邪魔に感じる場合も。その場合は押入れ用のポールを設置するとスッキリとした本格的なクローゼットになります。とはいえ、まっすぐにポールを設置するのは、1人では少し難しいかもしれません。ポールはネジで壁の部分と中央部を天井にネジで設置します。そのため押入れの天井部分、つまり天袋の床部分がしっかりした板かどうかを確認しないと、ポールにハンガーをたくさんかけた場合にポールが曲がってしまう可能性があります。
ディアウォールを利用すれば壁に釘を打つことなく簡単にパイプハンガーを設置できます。突っ張り棒よりも耐荷重が大きいこともメリットです。ただし、バネで設置するため隙間ができてしまいます。また、壁がベニアなどで補強していない場合は注意が必要です。
本格的に素敵なクローゼットにしたい方には、プロのリフォームがおすすめです。リフォームにかかる費用と日数がどのくらいかかるのか、また費用の内訳などを紹介します。
押入れの大きさにもよりますが、一般的なふすま2枚分の押入れで20万円程度が相場です。費用の内訳は、押入れの解体費用、壁や床の補強及びクロス貼り、養生、ハンガーパイプの設置、クローゼットの枠と扉の設置など。扉の種類や素材や移動棚、引き出しなどの数で費用が高くなる可能性があります。
例えば桐クローゼットは高価ですが、湿気対策に有効です。またクローゼットに合わせて部屋の床や壁も変えたり、換気扇をつけたりすると費用が高騰します。また和室の押入れをクローゼットにするだけではなく、和室を洋室にしたりウォーキンクローゼットにしたりすると工期や工費が増えます。
リフォームにかかる日数は、工事の規模により差があります。扉を変えるだけなら1日程度、簡単な工事では3日程度でできますが、場合によっては1ヶ月以上かかる場合もあります。可動棚や特殊な引き戸など、希望する工事内容によって異なります。
それでは具体的に押入れからクローゼットにしたリフォーム事例の工期と工費を見ていきましょう。
ほとんど利用していなかったリビングに隣接した和室をウォーキングクローゼットにしました。部屋の大きさに比べると比較的大きな押入れの中段をそのまま収納棚として利用している点がポイント。
もともとある部屋の形をベースにしているため、比較的リーズナブルになりました。工費は約20万円ですが、施工エリアが広いため工期は1ヶ月です。
事例の詳細:ウォークインクローゼット 和室押入れを活用
リビングと寝室に隣接した和室にある押入れをクローゼットに。最初は和室全体をウォークインクローゼットにしたいとご要望でしたが、押入れを45cmほど奥行きを広げ、和室と寝室両方から出し入れできるウォークスルークローゼットにしました。両面から利用できるクローゼットは無駄なスペースがなく、スペースを100%利用可能です。
和室の床をリビングの床と似た素材にし、一体感を出すことでリビングが広く感じられます。和室の床もリフォームをしたため工費は75万円ですが、工期は比較的短く1週間で仕上がりました。
事例の詳細:収納の少なさを解消!押入れをクローゼットに!!
四畳半の和室をウォークインクローゼットにした例です。床をフローリングにして、壁を白くしました。押入れの一部を隣接しているキッチンの収納棚にも利用。衣料だけではなくいろいろなアイテムの収納問題が解決しました。ハンガーパイプをしっかり取り付けるため、クローゼットの角部分に袖壁を設置しています。袖壁というのは、従来の壁から直角に張り出した壁のことです。
袖壁があることでハンガーパイプがしっかり収まり、強度を上げています。衣料品や寝具など布でできたアイテムをたくさん収納する場所は湿気が高くなりがちです。その対策として、換気扇も設置しています。細やかなデザインで作られたウォークインクローゼットですが、工費56万円で1週間の工期でできました。
事例の詳細:4.5畳和室を使い勝手の良いウォークインクローゼットへ
今回は、押入れをクローゼットにリフォームするDIYのアイディアとプロにお任せした場合の施工実例や費用などを紹介しました。押入れをクローゼットにするとお部屋全体のイメージが変わるだけではなく、収納力も増えスッキリと片付けやすくなります。収納しているものが一目でわかり、お手入れを忘れることも防げます。
DIYでもある程度のリフォームは可能ですが、収納物の重さに対して補強が必要な場合や湿気対策をしたい場合にはやはりプロに任せた方が安心です。また、押入れをクローゼットにするだけではなく、部屋全体を洋室にしたりウォーキンクローゼットにしたりしたい場合はやはりリフォーム会社に頼むと素敵な仕上がりになります。やはり使いやすさとおしゃれなデザインを求めるならリフォーム会社へ相談する方がよいでしょう。
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