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一軒家の外壁をリフォームする場合、最近は何を重視する方が多いのでしょうか。
「特に今は地震に備えた家づくりの要望が強く、耐震をキーワードに素材を選ばれる方が増えています。そもそも一軒家は柔らかい木造の骨格であるため、いかに軽い壁をつくるのかが大切です。耐久性に加え、素材の軽さやコストを考えた上で選ばれているのが、サイディング、塗装、金属パネルの3つですね」(土井さん、以下同)
塗装や金属パネルはなんとなくイメージが湧きますが、サイディングは外壁リフォームについて勉強しないとなかなか一般には聞き慣れないワードかもしれません。それぞれどんな長所・短所があるのか、土井さんに解説いただきましょう。
「最近、多くの家で使われている素材は、サイディングです。軽くてデザイン性の高い外壁を作るために開発された外装材で、窒素系や金属系、木質系、樹脂系など、さまざまな選択肢があります。なかでも窒素系サイディングは、セメントを主な原材料として作られた薄い板にさまざまな凹凸模様のデザインを施した板状のもので、メンテナンスの手軽さや防火性の高さが人気です。サイディングが使われている家の外壁には、うっすらと継ぎ目が入っているのですぐ見分けられると思います」
「塗装は昔の建物で使われている印象が強いかもしれませんが、今あらためて見直されている素材です。まず、セメントを使ってモルタル下地と呼ばれる燃えにくい外壁をつくり、その上から希望のデザインになるよう塗料を吹きます。
燃えづらく非常に強い外装材なのですが、唯一の欠点は、乾燥や建物の揺れによって表面にひびが入ってしまう点。外壁の見た目を維持するために、少し弾性のある塗料を重ね塗りするのが一般的な工法です」
「サイディングや塗装よりもさらに軽い外壁材が金属パネルです。また、金属パネルは他の壁よりも素材の寿命が長いのが魅力ですね。ただ、戸建住宅ではどうしても金属を使ったデザインは無機質に見えてしまうため、敬遠される方も少なくありません。素材の善し悪しはともかく、デザインの好みが大きく分かれる外装材ではあります」
ここで気になるのは、やはり外壁リフォームのお見積もり。手間のかかる凝った素材を使えば、それなりに値段も高くなりますが、標準的な仕様であれば大きな価格差はないそうです。
「今回ご紹介した3素材の最低価格はどれも同じくらいでしょう。ただデザインなどに凝れば、その分だけ見積書の金額は上がっていきます。そのため、まずは目的に合った材料を選び、その中で予算や好みと相談しながら進めてみてください」
外壁の素材を理解した上で、リフォーム計画を進めていく場合、具体的に何から手を付けていけばいいのでしょうか。
「リフォームの場合は、すでにある家をどうやって活かすかが大切です。自分がこうしたいという好みを一方的に伝えるのではなく、まずは施工店や設計士に家を見てもらうことで現況を客観的に把握し、アドバイスをしてもらいましょう。それぞれの専門家によって重要視することは違いますが、私の場合は長期的なメンテナンスのしやすさを第一に考えることをおすすめしています」
実際問題として、屋外で野ざらしになる外壁は定期的なメンテナンスを必要とします。目安として、塗装やサイディングの外壁の場合は10年、金属パネルの場合は20年ほどだとか。
「サイディングはさまざまなデザインの外装材があるため、メーカーが生産を止めてしまうと同じデザインのものが入手困難になります。そうなってしまうと、リフォームの際に外壁すべてのサイディングを入れ替えることになるケースもあり、その場合は費用がかなり膨らんでしまう。そのため長期的なメンテナンスを考えると、私の場合は寿命の長い金属パネル、または修復工事を行いやすいモルタル下地+塗装のどちらかをおすすめしています」
せっかくの一戸建てだからこそおしゃれな外観の家に住みたい……と考える家主は少なくないでしょう。とはいえ、家に長く住み続けること、メンテナンスをしていくことを考慮すれば、デザイン以外にも気を配った外壁リフォームを心がけたいところですね。
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