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外壁をはじめとした外装の劣化は、見た目が良くないだけでなく、大切な家の寿命を縮めてしまいます。この記事では、外壁の劣化が気になったら読んでおきたい、外壁のリフォーム方法を詳しく解説。外壁材、工法ごとのメリット・デメリットや費用相場、事例などもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
ホームプロの事例データにおける、外壁塗装・外壁工事リフォームの費用相場は以下のとおりです。
外壁のメンテナンス周期は5〜10年ほどが目安ですが、耐久性の高い塗料や外壁材を使うことで、より長持ちさせることができます。
また、遮熱・断熱効果のある外壁は費用が高い傾向にありますが、室内の空調にかかる光熱費を節約できるため、長い目で見るとお得な場合もあります。
外壁をメンテナンスする際には、目先の費用だけでなく、トータルコストや費用対効果も踏まえて検討するのがおすすめです。
外壁は、雨風や紫外線などによって少しずつ劣化し、いずれ寿命を迎えます。劣化の放置は、雨漏りやひび割れ、剝がれなどの原因にもなるため、定期的なメンテナンスが必要です。
外壁材の種類はさまざまあるものの、約5〜10年に1度を目安に「塗装(塗り替え)」でメンテナンスを行いつつ、耐用年数にあわせて「重ね張り(カバー工法)」か「張り替え」で壁を新しくするのが一般的です。
たとえ見た目がキレイな状態であっても、メンテナンスせず長年放置するのはおすすめできません。表面的には問題なく見えても、壁自体の劣化が進んでいることがあるためです。結果として大掛かりな修繕が必要になり、費用がかさんでしまうことも。
DIYでできることも限られるので、やはり定期的に専門のリフォーム会社に点検してもらうのが安心です。
ここからは、外壁材ごとの特徴や塗装周期・耐用年数などを見ていきましょう。
サイディング外壁とは、壁の上に「サイディングボード」と呼ばれるパネル状の外壁材を張った外壁のことです。施工期間が短く、工事費用がおさえられることから、現在国内では最も主流な外壁といえます。
サイディング外壁は「サイディングボード」の主原料によって、木質系・金属系・窯業系・樹脂系などの種類に分けられます。それぞれ見た目の風合いやメンテナンスのしやすさ、遮音性・断熱性など特徴がありますが、いずれも耐用年数は40年ほどです。
セメント質が主材料の「窯業系サイディング」は、サイディングの主流となっている素材で、戸建住宅の外壁の約8割を占めるといわれています。
また、ガルバリウム鋼板・ステンレス・アルミなどの金属を使用した「金属系サイディング」は、軽量で耐久性に優れ、重ね張り(カバー工法)での施工が可能なことから、特にリフォームで広く採用されています。
外壁材 | 耐用年数 | メンテナンス周期 |
---|---|---|
木質系サイディングボード | 約40年 | 8〜12年 |
金属系サイディングボード | 10〜15年 | |
窯業系サイディングボード | 7〜8年 | |
樹脂系サイディングボード | 10〜20年 |
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サイディングを使った外壁リフォームの費用と相場
外壁材はサイディング以外にも、モルタル・タイル・ALC・トタンなどの種類があります。
モルタルは水・セメント・砂を混合した外壁材を塗って仕上げるもので、1980年代まで主流だった外壁です。施工に手間がかかるため、サイディング外壁の普及にともない使用は減ったものの、玄関や外構などにはよく使われています。
土や石を高温で焼き固めたタイルの外壁は、耐久性に優れキズに強いので、メンテナンスの手間が省けるのが魅力。しかし、施工の難易度が高く、他の外壁材と比べると初期費用が高くなります。
そのほか、珪石やセメント、生石灰などが原料の軽量気泡コンクリートを使用したALCパネルや、金属製サイディングの一種で薄い鉄板に亜鉛をメッキしたトタンなどがあります。
外壁材 | 耐用年数 | メンテナンス周期 |
---|---|---|
モルタル壁 | 約30年 | 8〜10年で再塗装 |
タイル | 約40年 | 10年前後でコーキング補修。 ひび割れや破損があれば適宜補修 |
ALCパネル | 約60年 | 10〜15年で塗装・コーキング補修 |
トタン | 約10〜30年 | 5〜10年で再塗装。サビや塗装の剝がれは適宜補修 |
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外壁塗装を行う時期の目安|外壁の耐用年数と塗装のベストシーズンを紹介
外壁をリフォームする方法は、主に塗装(塗り替え)・重ね張り(カバー工法)・張り替えの3つです。
壁の汚れをキレイにしたいのか、ひびを修繕したいのか、くずれるほどの劣化なのか、外観を変えたいのかなど、目的によって方法も費用も変わってきます。検討の際は、リフォーム会社としっかり相談しましょう。
外壁の塗り直しは、雨風や紫外線にさらされた塗装の保護機能を回復する目的で行われます。塗装の防水効果がよみがえり、建物の劣化を食い止める役割を果たします。
重ね張りはカバー工法とも呼ばれる施工方法で、今ある外壁の上に重ねるようにして外壁材(サイディングボード)を張るものです。下地の作り直しや、古い外壁材を廃棄する手間が省けます。
今ある外壁材を撤去して、新しい外壁材を張る方法です。下地など内側の劣化も補修が可能なので、塗り直しでは修繕できない劣化や、強度不足で重ね張りができない壁にも有効です。
次項からは、方法別のメリットやデメリット、費用感などを詳しく解説していきます。
外壁の塗装は美観のためだけではありません。外壁の保護や防水など、住まいを守るという大切な役割があります。先述のように“5〜10年に1度は「塗装(塗り替え)」を行う”ことを基準に考えておくと安心です。
また、見た目の劣化からもメンテナンス時期を計ることができます。外壁に苔や藻を見つけたり、壁を手でこすったときに白い粉(チョーキング)が付いたりするようになったら、塗装の防水性が弱まっているサインなので、塗り替えを検討しましょう。
さらに劣化が進むと、ひび割れや塗装の膨れ、剥がれが起きます。ここまでくると塗装材が外壁を守る機能を果たしていないので、大切なお家を守るため、できるだけ早くリフォーム会社に相談されることをおすすめします。
外壁の塗り替えは、家を長持ちさせるための基本的なメンテナンス。戸建住宅で使われる一般的な塗料はシリコン系で、フッ素系に次いで耐久性が高いのが特徴です。
外壁塗装に使う塗料は、価格と耐用年数がほぼ比例するため、安い塗料ではメンテナンス周期が短くなり、長い目で見るとかえってコストがかかる可能性があります。
塗装材 | 耐用年数 |
---|---|
フッ素系塗料 | 15〜20年 |
無機系塗料 | 15〜20年 |
遮熱系塗料 | 15〜20年 |
ピュアアクリル塗料 | 12〜15年 |
光触媒塗料 | 10〜15年 |
ラジカル塗料 | 8〜15年 |
シリコン系塗料 | 8〜15年 |
ウレタン系塗料 | 6〜10年 |
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外壁塗装は、張り替えと比較して、工期も費用も少なく済みます。カラーバリエーションも豊富なので、費用をおさえて外観のイメージをがらりと変えたいときにもおすすめです。
太陽光で汚れを分解する光触媒や、外気の暑さ・寒さを屋内に伝わりにくくする断熱塗料など、優れた機能性を持つ塗料がさまざまに流通しており、選択肢の多さが魅力です。
劣化の初期において、塗り替えは有効なメンテナンスですが、浸水によるカビや腐食にまで劣化が進んでしまうと対処できません。また、外装材と合わない塗装材を使うと、劣化が早まる可能性があります。
ホームプロの事例データにおける、外壁塗装リフォームの費用相場は以下のとおりです。
重ね張りは、今ある外壁の上から新しい外壁材(サイディングボード)を張る方法で、カバー工法とも呼ばれます。
下地の作り直しがない分、コストを削減できます。上から新しいサイディング材を張るので、新築に近い外壁に仕上がるのも魅力。
また、外壁が二重になるため、断熱性・遮音性の向上も期待できます。
剥がれやひび割れが複数ある、浸水によるカビ・腐食がみられるなど、塗装では対応できない外壁の修繕の場合には、カバー工法か張り替えが選択肢となります。
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サイディングとは?サイディングの種類や補修の目安を徹底解説!
窯業系サイディングはセメントを主原料としているので、レンガのような重厚な質感が特徴です。
ここでは、窯業系サイディングを重ね張りする際の、メリット・デメリットを解説します。
ほかのサイディングボードと比較して耐久性、耐火性が高く、シーリング材に柔軟性があるため耐震性にも優れています。バリエーションが豊富で、「シック」や「華やか」など、イメージにあったものが見つかりやすいでしょう。
窯業系サイディングは重量があり、家に負荷がかかってしまうため、カバー工法にはあまり向いていません。また、ほかのサイディングボードよりもコストと工期がかかる傾向にあります。
金属系サイディングは、リフォームで最もよく使用される外壁材です。リフォームで特に人気のガルバリウム鋼板のほか、アルミやスチールのサイディングなどもあります。
ここでは、金属系サイディングを重ね張りする際の、メリット・デメリットを解説します。
金属系サイディングは耐久性、断熱性、防音性といった機能面と、コストパフォーマンスのよさを兼ね備えた外壁材です。強度の問題で窯業系サイディングの重ね張りができない外壁でも、軽量な金属系サイディングなら可能です。
水の凍結による劣化である「凍害」に強く、寒冷地にも適しています。
重ね張りによるデメリットはないものの、色やデザインの種類が少なめで、窯業系サイディングよりも価格帯が上がります。ほかの素材と比較してキズがつきやすく、海風などで塩害が発生しやすい地域では、サビが出て劣化が早まることもあります。
外壁を重ね張りするリフォームの費用相場は、110~220万円です。
一般的に、施工する壁の面積が狭いと費用は下がる傾向にあるものの、同じ面積でも狭小地や3階建て、色柄を複数使う場合などはコストが上がるため、上記の費用はあくまで目安となります。
外壁の張り替えは、今ある外壁材を撤去して、新しく外壁を張り直す施工方法です。先述のように、剥がれやひび割れが複数ある、カビ・腐食がみられるなど、塗装による修繕ができないケースでは、カバー工法か張り替えで対応します。
外壁張り替えのメリット・デメリットを見ていきましょう。
張り替えは今ある壁を一度撤去するため、壁の内側に隠れていた劣化まで補修できます。同時に断熱や補強も行えば、さらに長持ちする快適な家になるでしょう。強度が足りなくて重ね張りできない壁でも、張り替えなら施工が可能です。下地も交換できるので、より新築に近い外壁に仕上がります。
壁を撤去して張り替えるため、コストが高くなります。また、塗料を吹き付けることで仕上げたモルタル外壁には施工できません。
外壁を張り替えるリフォームの費用相場は、170万~280万円です。
下地処理や既存外壁の撤去・処分にも費用がかかる分、塗装やカバー工法に比べ高額になります。
数年に1度とはいえ、外壁のリフォームをする際には、ある程度まとまった費用が必要です。
ここでは、外壁リフォームの費用をおさえるいくつかのコツをご紹介します。
引っ越しなどと同様に、リフォームも繁忙期を避けることで、費用をおさえられる場合があります。
外壁塗装に適した気候は「気温が5度以上」「湿度が85%以下」されており、3~5月の春、9~11月の秋に繁忙期を迎えます。閑散期である12~2月もしくは6~8月に依頼をすれば、価格交渉も可能かもしれません。
外壁のリフォーム費用には、足場の組み立てにかかるコストが含まれています。一緒に屋根のリフォームを行うと、それぞれにリフォームするよりも足場代が節約できてお得です。
外壁のリフォームは、壁の状態、使用する外壁材や塗料の価格、依頼する時期などで、費用に幅があります。複数社から見積もりをとって、適正な費用感をつかむことが大切です。
お住まいの地域によっては、外壁塗装・屋根塗装などの修繕・リフォームで、補助金(助成金)を受けられる場合があります。
受給額や算出方法、限度額は自治体で異なります。工事を契約する前に事前申請が必要なケースもあるため、依頼先選びと同時進行で、補助金(助成金)についても調べておきましょう。
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外壁リフォームでは補助金が受けられる!申請や受取の流れを解説
実際にみなさんがどんな外壁リフォームをしているのか、費用を交えつつさまざまな事例をご紹介します。Before・After画像や施工内容から、ご自身の希望するイメージを具体的にしていきましょう。
ベランダの壁に膨れや剥がれがあったため、サイディングを部分張り替え。塗装工事を主体とすることで、予算をおさえました。外壁は地中海をイメージした白色系でまとめ、ベランダ部分をアクセントに。遠くから見てもおしゃれな外観に生まれ変わりました。
【築年数】21~25年
【工期(全体)】2ヶ月
Before:ベランダの開口部などに、浮きや剥がれが多く見られました。
After:地中海風の白い壁が遠くからでも目を引きます。部分工事だったため既存の外壁との取り合いが懸念事項でしたが、丁寧な施工でキレイに仕上がっています。
事例の詳細:ファブリックなアクセント
中古住宅の購入にあわせ外壁塗装を行った事例です。一度もリフォームをしていない物件で、外壁の退色が目立っていました。1、2階はUVプロテクト機能のあるクリヤー塗料で仕上げ、ツヤをプラスしながら紫外線による色あせや変色を防ぐように施工。3階は現状の色に近い水性シリコン塗装で塗り替えています。
【築年数】11~15年
【工期(全体)】1ヶ月
Before:外壁の退色やツヤのなさが目立っていました。
After:ツヤがよみがえってピカピカに。
事例の詳細:3階建てサイディング2種類塗装工事
大胆な2色の組み合わせで、立体感のある外観にイメージチェンジした事例です。カラーシミュレーションでイメージを絞り込み、塗装サンプルボードで色彩を最終確認することで、イメージどおりの外壁に仕上がりました。
【築年数】11~15年
【工期(全体)】2週間
Before:塗装前はカビや藻の汚れが気になっていました。
After:シーリングには超高耐久のシーリング材を使用。塗装後のカラーリングは、既存のアルミサッシ・玄関ドアにも違和感なくマッチしています。
事例の詳細:外壁2色塗り分けイメージチェンジ(防カビ・防藻塗料)
劣化の激しかった外壁をカバー工法で修繕。見違えるような外観に生まれ変わり、さらに遮熱性や遮音性も大きく向上しました。
【築年数】30年以上
【工期(全体)】2週間
Before:昔ながらのトタンはサビが目立ち、木製の雨戸やサッシも老朽化しています。
After:外壁全体に金属サイディングを重ね張り。サッシも取り替えています。
事例の詳細:外壁のカバー工法で住まいをしっかり守ります!
金属系サイディングの重ね張りで工期を短縮。屋根塗装も一緒に行い、上品で温かみのある外観に変身しました。
【築年数】不明
【工期(全体)】2週間
Before:外壁にヒビが入り、劣化が気になる見た目でした。
After:玄関扉にもなじむ色味のサイディングです。
事例の詳細:軽量で丈夫!深みのある表情を生み出すサイディング重ね張り!
劣化が進んだ外壁にアイボリーの窯業系サイディング材を施し、ナチュラルな雰囲気へと生まれ変わりました。モダンな木目の玄関ドアが引き立つ、おしゃれな佇まいです。
【築年数】30年以上
【工期(全体)】3ヶ月以上
Before:劣化がかなり進んでいた外壁。玄関ドアのデザインにも古さが感じられます。
After:まるで新築のようなモダンですっきりした外観に。
事例の詳細:まるで新築!外壁工事。
玄関のある正面は窯業系サイディング材に張り替え、側面は塗装とすることで、コストをおさえたリフォーム事例です。暖色系の素材を採用し、南欧風スタイルにイメージチェンジしました。
【築年数】30年以上
【工期(全体)】2ヶ月
Before:昔ながらの佇まいで古びた印象でした。
After:リーフグリーンの玄関ドアが、暖色系のレンガ調サイディングに映えています。
事例の詳細:レンガ調のサイデングで南欧風スタイル。
古くなったサイディングを、ガルバリウム鋼板の外壁に張り替え。モノトーン配色で仕上げることで、スタイリッシュなデザインとなっています。
【築年数】21~25年
【工期(全体)】2ヶ月
Before:全体的に色がぼやけて地味な印象。
After:ツートンカラーの外壁で、スタイリッシュな仕上がりに。
事例の詳細:ツートンカラーのガルバリウムで、モダンでスタイリッシュな外観
築17年の外壁は、表面に膨れや細かなひび割れが目立っていました。1階部分には水に浮くほど軽く、建物への負担が少ないセラミックタイルを採用。塗装では表現できない高級感ある外観と、耐久性・断熱性アップを実現しています。
【築年数】16~20年
【工期(全体)】1ヶ月
Before:外壁の表面には膨れや、細かなひび割れがありました。
After:センスのあるツートンカラーで、おしゃれな外観に。
事例の詳細:軽量タイル、カルセラを知って外壁リフォーム!
外壁には耐久性に優れたガルバリウム鋼板、玄関には木目調の防火サイディングを施し、スタイリッシュで個性的な外観に。黒色でまとめられた外壁は、中間色の多い住宅街でも際立ちます。
【築年数】26~30年
【工期(全体)】3ヶ月以上
Before:経年劣化が各所にみられ、補修が必要でした。
After:コスト面のご要望をかなえながら塗装・補修を施し、まるで建て替えたような仕上がりに。
事例の詳細:建替え?と見間違うモダンな外観へ
大切なマイホームを長持ちさせるためには、外壁のメンテナンスが欠かせません。見た目ではわからない劣化もあるため、定期的にリフォーム会社にチェックしてもらうのがおすすめです。
費用をおさえるために、シーズンオフを狙ったり、自治体の補助金(助成金)などを活用したりすることも検討してみてくださいね。
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