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リフォームと新築の定義を見てみましょう。今ある家の基礎の部分は残したまま、部分的に修繕や増改築をして新築同様の状態に戻すことをリフォームといいます。キッチンやお風呂などの水回りを交換する、畳をフローリングに変える、廊下の古いフローリングを新しいものに変えるなど、リフォームの場所や方法はさまざまです。躯体だけを残してスケルトン状態から新しくすべてを作り変える「リノベーション」もリフォームの一種と考えられます。
これに対し、何もないところから基礎をつくり家を建築することを新築といいます。今ある家をすべて取り壊してゼロから建築することも新築にあたりますが、「建て替え」といわれることもあります。
リフォームの場合、すでに建っている家をベースに考えますので、建物の規模を大きく変えることは難しいです。しかしその分、費用は新築よりも抑えられる傾向にあります。ゼロから家を建てる新築の場合は、リフォームに比べて費用はかかりますが、家の大きさや間取り、設備など、規模の大きな部分も比較的自由にプランを決められます。
そのため、新築かリフォームか、どちらが向いているかを考える際は、予算はいくらで、どういう家にしたいのかを考慮しながら選ぶとよいでしょう。
家の新築を検討するにあたって、どのようなメリットがあるのかを知っておくことは参考になります。ここでは、新築の主なメリットについて解説しましょう。
新築の場合、最新の耐震基準を満たすよう施工されます。そのため、構造部分の耐震性や耐久性に対する安心感があります。また、断熱性能が高く省エネ設備が整った住宅にする場合は、リフォームよりも新築するほうが見た目も美しく効率的であることが多いです。
リフォームの場合も、プロの目で躯体に問題がないかどうか確認しますので、ある程度の安心感はありますが、実際に床をはがして躯体を見たときに補強工事などが追加で必要になる可能性もあります。「安いと思ってリフォームを選んだが、実際には高くついた」ということにならないよう、1981年以前に建てられた物件は特に、新築とリフォームの両方を検討するようにしましょう。
建売住宅は除きますが、新築の場合、間取りや設備、外観など、プランを練る際の自由度はリフォームよりも高いです。建ぺい率や容積率などを考慮する必要はありますが、家の向きやリビングの広さ、部屋の数、設備、色、使用する素材など、プロの提案を受けながら自分たちの好みやイメージに合わせて選んでいくことができます。
リフォームの場合も、比較的自由に間取りを変えることはできますが、家の大きさは基本的に変わらず、耐震壁は抜けないなどの規制が生じることがあります。注文住宅の場合は、すでにできている家を購入することになりますので、自分の好みで設計することはできません。
家の新築は、メリットだけではありません。デメリットも把握しつつ新築を検討できるよう、ここでは、家を新築する際の主なデメリットについて見ていきましょう。
新しく土地を購入して家を建てる場合や、土地付きの新築住宅を購入した場合、ご近所さんはどんな人なのか、住環境は便利なのかなど、近隣の環境は住んでみなければわからないことがあります。
また、計画上は日当たりが良かったものの、実際には隣の家や近くのマンションに陽射しを遮られてしまう、防音対策したつもりが思うほど音を遮られていなかったということもあるはず。事前調査である程度判明するものもありますが、新築の場合、家が建って住んでみないと実際のところどうなのか判断できないことが多いのはデメリットでしょう。
新築の場合、実際の家が完成して住んでみなければ、住み心地がよいのかどうか判断できません。プロに生活スタイルや間取り、設備の希望を伝えて最善案を出してもらってつくる家ではありますが、「もっとこうすればよかった」「ここが不便」といった点が出てくる可能性もゼロではありません。
また、ベランダから周辺の景色はどう見えるのか、サンプルでよいと思った素材は実際に使ってみてどうかなどを具体的にイメージするのは難しいでしょう。
先に述べたように、リフォームは今あるものを活かしつつ新築同様に戻すことをいい、建て替えは今の家を取り壊して更地にした状態から家を新築することをいいます。一戸建てならば比較的自由に建て替えできますが、分譲マンションの場合は自分の意思だけで建て替えは決められません。そのため、持家が集合住宅の場合は、規模の大小はありますがリフォームするケースがほとんどです。
リフォームか建て替えかどちらかを選ぶ際は、まずはどのような家に住みたいのか、予算はどれくらいかを検討してみてください。そのうえで、予算内でどのようなリフォームができるのか、どのような家が建つのか、プロに相談してみるとよいでしょう。
リフォームと建て替えの違いがわかったところで、それぞれの特徴を比較してみます。比較するポイントは「工事の前提・費用相場・諸経費・検討目安の築年数・間取り・工期」の6つです。これらを比較することで、リフォームと建て替えのどちらが自宅にはいいのか判断しやすくなるでしょう。
基本中の基本ですが、リフォームと建て替えは工事の前提が異なります。自宅がどちらにあてはまるかチェックしてください。
・リフォーム…今ある住宅で、活かせる部分は活かしつつ必要なもののみを修繕・増改築していく。
・建て替え…今ある家を取り壊して更地にし、ゼロからすべてを設計・建築していく。
築年数の浅い物件であればリフォームでよいでしょうが、戸建ての場合、2000年以前に建てられたものでは耐震補強が必要になる可能性があります。また、1981年以前に建てられた旧耐震基準の住宅や白アリ被害のみられる住宅などは、建て替えのほうがよいかもしれません。
リフォームの内容や建築する家の規模や設備などで金額は変わりますが、およその目安金額はそれぞれ次のとおりです。
・リフォーム…約300万円~2,000万円
・建て替え…約1,000万円~4,000万円
フローリングの張り替えや、キッチンの交換など小規模なリフォームならば数万円~数十万円でも済みますが、リフォームの場合は数千万円になることもあります。1,000万円をこえるリフォームを検討する場合は、建て替え費用と変わらない、あるいは建て替えのほうが安いことも考えられますので、両方の見積もりやプランを見比べてみるようにしましょう。
工事にかかわる費用については次のとおりです。
・リフォーム…基本的には改修費のみ
・建て替え…家を建てるために必要な費用のほかに、既存物件の解体費、破棄費、仮住まいの費用(建て替え期間中)、仮住まいへの引越し費用と仮住まいからの引越し費用
建て替えの場合、工事費以外の金額が大きくなる可能性もあります。トータル金額を考慮したうえでリフォームか建て替えかを検討するようにしてください。
「築年数の浅い物件はリフォームでもOK」とお伝えしましたが、リフォームか建て替えかを検討する際、新築からどれくらいの年数を目安にすればいいのかも気になります。それぞれの築年数目安は次のとおりです。
・リフォーム(水まわりや外壁、屋根などの部分的なリフォームの場合)…築10年〜20年
・リフォーム(リノベーションなど大規模なリフォームの場合)…築20年~30年
・建て替え…築30年以上
これらの年数を目安として、リフォームや建て替えを検討しましょう。
リフォームか建て替えかによって、間取りプランの自由度は次のように変わります。
・リフォーム…一部制限あり
・建て替え…自由に設計可能
部屋数が多いことが重視されていた時代に建てられた4Kの家を、広いリビング重視の2LDKに間取り変更しようとプランを立てたとき、抜きたい壁の中に耐震壁があるとそのプランは実現できません。このように、リフォーム場合は、間取り変更に制限がかかる場合があります。
リフォームと建て替えでは工事の規模が異なるため、工期の長さも大きく次のように異なります。
・リフォーム(標準リフォームの場合)…約1ヶ月
・建て替え…約4ヶ月~6ヶ月
ユニットバスのシャワーバス水栓の交換や間仕切り壁の新設のような小規模リフォームであれば、半日~1日でリフォームできるものもあります。建て替えの場合は、既存の家を取り壊してから新築に入るため、工期は短くても4ヶ月ほど見ておくとよいでしょう。
リフォームや建て替えに合わせて仮住まいを検討する場合は、施工完了予定+1ヶ月ほど余裕をもってスケジュールを組んでください。
家を新築する際のメリットについては先にご紹介しましたが、ここではリフォームか建て替えかを検討する際の参考になるよう、それぞれのメリット・デメリットを見ていきます。
まずは、リフォームと建て替えのメリットをそれぞれ紹介します。
リフォームのメリットは、主に次のようなものが挙げられます。
建て替えのメリットは、主に次のようなものが挙げられます。
次に、リフォームと建て替えのデメリットを挙げてみます。
リフォームのデメリットは、主に次のようなものが挙げられます。
建て替えのデメリットは、主に次のようなものが挙げられます。
リフォームと新築、建て替えについて解説しました。今あるものを活かすのか、今あるものを取り壊すのか、何もないところから家を建てるのか、それぞれにメリット・デメリットがあります。リフォームと新築(建て替え)の違いや特徴を知り、メリット・デメリットを比較したうえで、自宅の改修方法はどれがベストなのか検討してみてください。
家族だけでは判断できない、どのように改修・建築できるのかプランや金額を知りたいという場合は、プロに相談することをおすすめします。
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