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住まいを雨や風から守る外壁の塗装は年々劣化していくものです。一般的に、日本の住宅では10年を目安に外壁リフォームを行うのが適切とされています。住宅の広さによっても大きく異なりますが、外壁リフォームを行うには50万円以上の費用がかかるため、簡単には踏み切れない方も多いのではないでしょうか。しかし、外壁塗装のリフォームは要件を充たせば減税措置を受けられます。今回は、外壁塗装でできる減税対策についてお伝えします。
目次
外壁塗装の減税対策は、住宅ローンを利用する場合と利用しない場合で条件や申請方法が異なります。
外壁塗装も施工内容によって減税を受けることができます。
住宅ローン減税の内容・条件をしっかりと把握して、外壁塗装を検討する際の参考にしましょう。
住宅ローンを利用した減税対策とは、具体的に言うと住宅ローン減税(住宅借入等特別控除)を利用して行います。
住宅ローン減税は新規で住宅を取得したときだけでなく、一定の要件を満たす住まいの部分的なリフォームも対象です。リフォームで対象となるのは、以下のような工事です。
リフォーム費用が住宅ローン控除の要件を充たす場合、原則として「年末時点のローン残高×0.7%」が税金から控除されます。
外壁塗装の場合、塗装工事単体では対象となりませんが、増改築などの「大規模な修繕」とあわせて塗装を行うケースでは、住宅ローン控除の対象となります。
住宅ローン減税を受けるための条件には下記のようなものがあります。
住宅ローン減税を受ける本人が住んでいる家であること。リフォーム工事のため住めない場合には一時的に他の家に住んでも大丈夫ですが、工事完了から半年以内には住み始めなければなりません。継続的に住んでいる必要があるため、資産として経営するアパートやマンションなどは対象外です。
住宅ローン減税を受けるためのリフォーム費用には明確な基準があり、100万円以上となっています。外壁塗装で100万円を超えるのは珍しくありません。塗装する範囲が広い場合やハイグレードな塗料を使用した場合には100万円を超えることも多々あるでしょう。しかし、減税措置を目的に無理して100万円を超えるようにすることは避けたほうが無難です。控除があっても不要な施工にお金をかけるなら結果的にマイナスとなってしまいます。
住宅ローン減税の対象となるにはローンの借入期間が10年以上である必要があります。また、借入先は金融機関と住宅金融支援機構、都市再生機構、地方住宅供給公社、建設業者、勤務先に限られ、勤務先から借り入れたとき、下記に該当する場合には住宅ローン減税の対象外となるため注意しましょう。
勤務先から援助を受け、実際に支払う利率が0.2%を下回る
勤務先から時価の2分の1未満の価額でマイホームを取得した場合
勤務先が住宅に関連する会社の場合や金融機関などで、一般とは異なる条件で借り入れた場合には特に注意してください。
また、親や親族などから借り入れた場合にも対象外となります。
年間の所得が2000万円以上の人は住宅ローン減税を利用できません。注意したいのは所得と収入の違いです。会社員の方なら年収が収入にあたり、収入から給与所得控除を引いた額が所得となります。また、不動産所得も所得の一部と見なされますので、賃貸物件を経営している場合などにはまず正確な所得を確認しましょう。
住宅ローン減税の要件である「50㎡以上」とは、登記簿に記載された床面積のことです。売買契約書と登記簿では面積の算出方法が異なるため、売買契約書だけを見て住宅ローン減税が利用できると判断しないよう注意しましょう。
申請する手順を誤れば、訂正の手間、認識齟齬により、正式な減税を受けられないということにもなりかねません。
ここで手順を把握し、スムーズな申請を行えるようにしましょう。
外壁塗装を行って住宅ローン減税を利用したい場合には、外装塗装を行った次の確定申告で申請します。制度を利用する人自身が申請しなければならないため、会社員であっても自分で確定申告をする必要があります。
住宅借入金等特別控除額の計算明細書は税務署に置いてあります。事前に記入して持参したほうがスムーズに手続きを行えるので、
「申告書・申告書付表と税額計算書等 一覧(申告所得税)」のページから用紙をダウンロードすることをおすすめします。
住宅ローンの年末残高を証明するのは、借入先の金融機関が発行する「住宅ローンの年末残高証明書」です。送られてくる時期は金融機関によって異なりますが、9月下旬~1月中旬までの期間が多いようです。もしも失くしてしまった場合には金融機関に連絡し、再発行の手続きをとりましょう。
増改築等工事証明書は、リフォーム会社が発行できる場合もあれば、リフォーム会社から第三者機関に依頼して取得することもあります。増改築等工事証明書を発行できるのは、建築士事務所登録している建築士、または指定確認検査機関、登録住宅性能評価機関、住宅瑕疵担保責任保険法人に限られているためです。
リフォーム会社で発行できない場合には直接依頼するよりも時間がかかることもあるため、作成費用と併せて事前に確認しておきましょう。
また、増改築等工事証明書を取得するには申請家屋の登記事項証明書等、工事請負契約書等、工事費内訳明細書、間取り図面・写真(工事前・工事後)が必要となります。
個人番号が記載されていないもので申請してください。
平成28年1月1日以降に外壁塗装を行った場合には不要です。
登記事項証明書、登記簿謄本は法務局で発行してもらえます。法務局のサイトからオンラインで発行することも可能です。
会社にお勤めの方は源泉徴収票が必要です。源泉徴収票に記載されている所得額、納税額が収入の証明となります。
補助金を利用した場合には、外壁塗装の工事費から補助額を差し引かなければなりません。補助を受けた際には必ず証明となる書類が発行されますので、大切に保管しておきましょう。
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住宅ローン減税を利用しない場合でも利用できる減税措置があります。住宅ローン減税以外の減税措置には投資型減税とされる住宅特定改修特別税額控除があります。
投資型減税とは、耐久性や省エネルギーの面で優れた住宅を一括で購入・リフォームした場合に利用できる減税措置です。投資型減税が適用されるのは下記のリフォームのうちいずれかを行った場合となっています。一括で支払った場合でも控除が受けられるため、住宅ローンを利用しない場合には投資型減税を利用しましょう。
居住の対象期間:~令和5年12月31日
最大控除額:60万円
居住の対象期間:~令和5年12月31日
最大控除額:62.5万円
居住の対象期間:~令和5年12月31日
控除対象限度額:62.5万円
外壁塗装では、塗料に断熱・遮熱性のあるものを使用すれば上記のうち省エネリフォームとして認められる可能性あるため、要件を満たしているか確認してみましょう。
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外壁塗装のリフォームを行って減税措置の対象となるにも関わらず、知らずに申請せずにいる人も少なくないでしょう。申請には要件がありますが、一つ一つ確認していけば難しいものではありません。外壁塗装を行ったときは要件に当てはまるかを忘れずにチェックし、申請しましょう。
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