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第三回 "一間"ってどれくらいの長さ？

最終更新日：2015-04-24

第三回 "一間"ってどれくらいの長さ？

間（けん）とは、長さの単位だということは、なんとなく分かりますが、一体どのくらいなのでしょうか。今回は、間（けん）や尺など、住まいに用いられる長さの単位について調べてみました。

・間（けん）って、何の間（あいだ）のこと？
・手をめいっぱい広げた幅が「尺」
・バリアフリーは尺貫法より、ちょっぴり広く

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わが家をリフォームしている大工さんが、こんな話をしていました。「廊下の幅は半間（はんげん）じゃなく、3尺5寸にしておいてくれよ」。そういえば、わたしの母も昔、「うちの間口は3間半のうなぎの寝床」とか言ってましたっけ。間（けん）とは、長さの単位だということは、なんとなく分かりますが、一体どのくらいなのでしょうか。今回は、間（けん）や尺など、住まいに用いられる長さの単位について調べてみました。

間（けん）って、何の間（あいだ）のこと？

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勘のいい方なら、もう分かったかもしれませんが、「間（けん）」は、間（あいだ）と書くぐらいだから、何かと何かの間の長さのことでしょうね。

1間は和室の柱と柱の間の長さです。そう言われても、まだピンと来ないかもしれませんね。畳の長辺とほぼ同じ長さが「間（けん）」と言えばイメージしやすいですよね。中京間の場合、畳の大きさは182×91cm。京間やマンションサイズは少し違いますが、おおむね畳の長辺が1間です。うちのリフォームで大工さんが言っていた半間（はんげん）とは91cmのことなんですね。

4畳半は1間半×1間半、6畳間は2間×1間半、8畳間は2間×2間。こうしてみると、日本の家屋は、半間＝3尺（91cm）単位でつくられているのがわかります。ちなみに、1間の1/6が1尺（30.3cm）、1尺の1/10が1寸（3.03cm）です。

1間×1間の面積が「坪」です。つまり坪は、およそ2畳分。大人が大の字になって、ゆとりで寝ころべるサイズが1坪なんですね。

1坪は、1人が1日に食べるお米がとれる田んぼの面積という説もあります。1年で食べる面積は1石（こく）になります。加賀100万石とは、100万人を1年間食べさせることができる国ということらしいです。

手をめいっぱい広げた幅が「尺」

寸や尺の起源は、紀元前10世紀の中国にまでさがのぼります。

「寸」や「尺」の長さは、親指の幅を表し、「尺」は親指から小指までをめいっぱい広げたときの幅を基準に決められたという説もあります。でも、手の幅が1尺（30.3cm）もあったなんて、よっぽどの巨人だったと思いませんか。調べてみると、紀元前の時代には、1尺はもっと短かかったようです。時代を追うごとに長くなっていったんですね。

中国で生まれた単位「尺」や「寸」「間」は、日本では中世ごろから、測量に使われるようになりました。豊臣秀吉が行った太閤検地の時は1間＝6尺3寸と決められていましたが、江戸時代には6尺1寸、さらに明治時代には1間＝6尺と「尺貫法」で定められました。
時は流れ、1966年、「尺貫法」は禁止され、メートル法しか使えなくなりました。ただ、住まいに関しては「尺貫法」が、なぜか今でも生き残っているのです。

バリアフリーは尺貫法より、ちょっぴり広く

お年寄りにやさしいバリアフリーリフォームでは、半間＝3尺を基本とする従来の考え方で設計すると少し狭くなります。たとえば、廊下の幅は通常、3尺（91cm）が基本ですが、車椅子が通りやすくするには、3尺５寸（106.1cm）程度にするのが理想です。

トイレは間口4尺５寸（136.5cm）×奥行き1間（182cm）あれば、車椅子が入れ、介助がしやすくなります。また、介助のしやすい浴室は1間×1間の1坪サイズ以上必要とされています。お年寄りの寝室と居間の間の建具は引き戸にして、全開で1間程度あれば、コミュニケーションがとりやすく、眠りも妨げないと思います。将来に備え、こんな住まいにリフォームしておきたいものですね。

間や尺、坪などについて調べてみました。参考にしていただけば幸いです。

【参考文献】

和風住宅の知識（小林盛太著、彰国社刊）

建築語源考（飯塚五郎蔵著、鹿島出版会刊）

福祉住環境コーディネーター検定３級完全マスター（東京商工会議所刊）

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