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マンションでも一戸建でも、和室はリビング横のひとつだけ。畳敷きの部屋は、今やフローリングの海に浮かぶ孤島のような存在です。その一方で畳のよさが見直され、リビングの床に畳ユニットを置く人、わざわざ古ぼけた和室アパートを借りる一人暮らしの20代が増えていると聞きます。また、欧米人の間でも「タタミはクール(カッコイイ)」と人気だそうです。私の部屋はDKだけが板の間で、あとは畳敷き。全てフローリングの部屋より家賃が安いから妥協して決めたのですが、今では畳が大好きです。正座は苦手ですけれど。
畳は、畳床(たたみどこ)と畳表(たたみおもて)、と畳縁(たたみへり)からなります。畳床はワラを縫い締めた畳の台で、今はワラや板のあいだにポリスチレンフォームを挟んだものが普及しています。畳表は藺草(いぐさ)が一般的ですが、いま人気の琉球畳の畳表は七島藺(しちとうい)です。なお、かつて畳縁は素材や色、文様によって坐る人の地位や部屋の格式を示しましたが、民主的になった今、すっかりでたらめとなりました。
ところで子どもの頃、畳の縁を踏むなと言われませんでしたか? この和室のマナー、どんな根拠があるのでしょう。これは「畳結界説」というのが有力のようです。結界とは聖と俗とを隔てる境界という意味で、客が坐る畳と主人の坐る畳とは区別され、その境目=結界を踏むと、空間の格式が崩れるというのです。さらに家紋を織り込んだ縁なら、踏むのは当然失礼です。でも、擦り切れ防止というケチが本当のところなのかもしれません。
畳の歴史を追ってみましょう。古代日本では、地面より高い床に上がることが高貴であることの象徴だったそうです。中世・近世において居室は板敷きが普通でしたが、畳が登場したのは平安時代。寝殿造りの板敷きの上に必要な分だけ畳が置かれ、坐具や寝具として用いられていたのです。格式の高さを示すには畳を大きく、厚くし、天皇の御座所の畳は重ねて用いていました。先に述べたように縁にも厳しい区別があり、天皇の畳には繧繝縁(うんげんべり)と決まっていました。
床一面に畳が敷き詰められるようになったのは室町以降のことです。その理由として、高価だった畳がその頃ようやく半値に下がったから、という説もあるそうです。
突然ですが、一人暮らしを始めようと不動産屋をめぐった時のことを思い出しました。憧れのフローリングは間取り図を見ても○m2と書かれてあるだけで、いまひとつ広さがピンときません。でも和室なら、6畳と書かれてあればすんなり広さがつかめます。
人ひとり寝転ぶにちょうどいい畳は、体のサイズや生活の所作を基本にしており、畳の寸法は木造建築のモジュールとして利用されてきました。そんな歴史のおかげで、私たちは何畳か聞くだけで感覚的に部屋の広さがわかるのです。なお、畳の寸法は地方によって異なり、
京間(191×95.5cm)や関東間(176×88cm)、中京間(182×91cm)等があります。
「床に坐れること、これが居室空間の和と洋とのわかれめ」「床には浄の床と不浄の床とがあるのです。自分の尻ついて坐る床は、浄の床で、手をついても穢れ(けがれ)感がない」と、GK道具学研究所の山口昌伴さんは言います。なるほど、私なんて、畳の上にお菓子の袋を置き、ぽりぽり食べながら雑誌を読むのはしょっちゅうです。これがDKの床なら無理です。いくらピカピカに磨いてあっても、流し台や冷蔵庫、ダイニングテーブルや椅子に見下ろされ、自分まで不潔になった気がするでしょう。
床の浄・不浄の分かれ目は段差にもあります。床の間と縁側のある座敷に坐っているところを想像してください。たいてい縁側は座敷より3cmは低く、床の間は9cm程高くなっています。すると縁側は座敷より少し不浄に、床の間は段違いに清浄に思えるはずです。こんなわずかな段差が大きく感じられるのは、視線が低い床坐の暮らしのためです。
私たちは家に上がる時、必ず靴を脱ぎます。なぜか。建築史家で建築家でもある藤森照信さんは、「わが日本列島のご先祖さまは、あるひとつの区画された平らな場所に聖性を覚えるようなセンスをもっていたんじゃないか。その場所にはカミが宿るのだから汚くてはいけない」からだと推測しています。その証拠に心身を鍛える武道場では床の雑巾がけを異常に重視し、学校でも教室の床は生徒が掃除し、うるさく指導されたではないか、と。
さて、廊下をスリッパで歩くのはOKですが、試しにそのまま畳に上がってみてください。このなんともいやぁな感じ。床の聖性を穢す行いに罪悪感を覚えるご自分に、日本人を実感するはずです。西洋人を家に招いたら、トイレのスリッパのまま畳の部屋に入ってきて焦った。上司からそんな話を聞いた時、無理もないと笑ってしまいました。(終)
【参考文献】
『図面を引かない住まいの設計術』(山口昌伴著・王国社刊)
『和風デザイン図鑑』(エクスナレッジ刊)
『住まいと文化』「<靴脱ぎ>と<木>----ある建築家の極私的見解と試み」(藤森照信・住宅金融公庫刊)
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