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「縁台将棋」なんていう言葉があります。下町の路地の縁台に腰かけて、浴衣姿(ランニングにステテコ、なんてのもありですね)のおじいさんがうちわ片手に将棋をさしている。足元には蚊取り線香……。実際にこんな光景が見られる場所もかなり限られてきました。でもお花見や紅葉狩りの季節には、茶店の縁台で御団子やおでんの皿をあいだにはさんで坐り、飲んだり食べたり。縁台はまだまだ健在といえます。
縁台でのこうした光景、なんだか上がり框や縁側に似ていると思いませんか?
縁台には洋風ベンチのように幅がせまく細長いものから、四、五人は楽にくつろげそうな畳一枚ほどのものまであり、正式な寸法が決まっているわけではないようです。
また、縁台にかけてある緋毛氈(ひもうせん)とは平たく言えば赤いフエルトのこと。お雛様の段飾りにかけて敷いてあるのと同じですね。近頃は赤いビニールシートを代用しているお店もあって、興ざめすることもままあります。
なお「縁台」とは主に関東での言い方で、関西では「床几(しょうぎ)」と言うのだそうです。「ばったり床几」という家の庇(ひさし)の下に取り付けられた折畳式の縁台があるそうですが、これは関西のもの。商品を並べる見世棚(みせだな)や客の腰かけとして近世の京町屋で発達し、上方の街道筋に普及していったもので、地方によっては「揚げ見世」「揚げ棚」「繰り見世」とも言い、古い町並みではまだ見ることができます。
それにしても縁台っていったいなんなのでしょう? 腰かける椅子であり、飲み物や食べ物を置くテーブルでもあり……。縁台の使われ方を見ていると、ふと上がり框(第一回『上がり框と人間関係』参照)や縁側のそれを思い出します。ちょっと腰をかけての気軽なおしゃべりのお茶請けに、漬物を出す地方もあると聞いています。お茶や漬物の皿はお盆にのせられ、上がり框や縁側に置かれます。つまり家の中の床(ゆか)が、椅子でありテーブルなのです。
また私はずっと前から、一畳大の縁台を見かけるたび、壁のない一畳の和室のようだと思っていました。みなさんはそう思ったことがないでしょうか? 縁台の中には薄縁(うすべり=ムシロ)を上面に敷き込んだものがありますが、薄縁が本来は家の中や縁側に敷くものであることを思うと、ますますその直感が正しいような気がしてきます。
GK道具学研究所の山口昌伴さんは、その著書の中で次のように言っています。「高床は生活を展開する舞台であり、日本にあって、高床は広い台状の家具なのである。その台の上では美しく座する立居振舞が求められたのだが、その高床の端に、縁先や上がり框のように楽々と腰掛ける姿勢もしっかりあった。その上がり框や縁先の腰掛け機能に、ちょっとした床上機能を加えて独立させた家具が、縁台。」そしてこうも言うのです。「洋風のベンチは椅子を並べて一体化したもの、縁台はあくまで床を切り取って台に乗せたもの。ここに縁台の和風たるゆえんがあるのではないか。」
どうやら私の直感は正しかったようです。
まちづくりの一環として、縁台を共同で手作りして町内のあちこちに設置し、コミュニケーションを活性化する試みをしている町があるそうです。つまり、縁台製作の過程で生まれる人間関係、完成後の路地での宴会、ふだんの暮らしの中で縁台を利用することによって培われる近所づきあい。こうしたコミュニケーションが、町全体を活性化するというのです。また、ある現代美術家はオリジナルな縁台を作って販売したり、全国に遠征して土地の人たちといっしょに縁台を作り、人との関係を作り上げていく活動をしています。縁の台と書くくらいですから、人の縁をとりもつ装置として、やはり縁台はふさわしいものなのかもしれません。
また、横丁の路地にある狭い狭い住まいから生まれた知恵、生活技術の象徴として、縁台を語ることもできます。出入り口を開け放して路地を生活空間に取り込み、内風呂がなければ銭湯に行って、縁台で夕涼み。狭いから、風呂がないから、と不満だらけの顔をしていないで、銭湯での入浴を楽しみ、心地よい風に吹かれながら「屋外リビング」でくつろいで、町内全体をすみかとする----。
しかし、このことばかりではなく、縁台は壁のない極小和室であり、ささやかな宴(うたげ)を張る「宴台」でもあることを心にとめておきたいものです。お花見や紅葉狩りにお出かけの際は、ぜひ一畳大の縁台で甘酒でもすすりながらまわりを見渡してみてください。縁台どうしが接するばかりにたくさん置き並べてあっても、ささやかな宴を楽しむそれぞれのひとたちの小宇宙ができあがっているはずです。(終)
【参考文献】
『和風探索 にっぽん道具考』(GK道具学研究所+山口昌伴著・筑摩書房刊)
『和風デザイン図鑑』(エクスナレッジ刊)
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