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わたしの趣味は靴集め。街に出かけるとウインドショッピングのつもりが、ついつい衝動買いすることもよくあります。いまでは下駄箱に入りきらない靴たちが、玄関に無造作に並んでしまうこともしばしば…。お客さまが来るたびに恥ずかしい思いをするので、母によく怒られます。なんとかしなくちゃ!と思うのですが、下駄箱を変えるだけでは追いつきません。この際、玄関をリフォームして、すっきりとしたいと考えています。今回は和風の玄関リフォームについて、わたしなりに調べてみました。
玄関は、鎌倉時代に禅宗のお寺の入口に設けられたのが始まりといわれ、「仏道という幽玄の境地に入る関門」を意味しているといわれます。以来、階級の高い人を迎える接客用の出入り口として使われ、江戸の徳川綱吉将軍の時代には、一般の家に玄関をつくることを禁じたこともあったそうです。明治になってからは、ようやく一般の住まいでも玄関をつくるようになり、広く普及していきました。
玄関は住まいの顔。家の印象を決めてしまうだけに、すっきりキレイを基本に、住む人の個性を感じる演出をしたいものです。その点、和風の玄関は豪華過ぎず、適度に品格があり、木のぬくもりが伝わります。
和風の玄関を演出するひとつの方法として、正面にガラス張りの坪庭をつくるなんて、いかがでしょうか。玄関に入った瞬間、空間的な広がりを感じ、高級感も漂います。庭があると、玄関ホールに陽光が差しこみ、明るく感じますよね。
また、玄関ホールを吹き抜けにすると、開放的で明るい玄関になりますね。風通しがよく、においがこもらない、さわやか空間ができあがります。
スペース的に、坪庭や吹き抜けが無理というご家庭でも、明かりとりの工夫は忘れないでください。たとえば玄関の扉。和風の玄関にするなら、頑丈で分厚いドアよりも、やっぱり引き戸が似合います。ガラス格子タイプの引き戸にすれば、適度な光を採り込めます。ただ、空き巣などが多い物騒なこの時代。引き戸は防犯性が少し心配…とおっしゃる人がいるかもしれません。でも最近は頑丈な錠付きなタイプや、解錠リモコンなどを設置する方法もありますので、じっくり選んでみましょう。さらに、玄関の外側に人が近づくと点灯する人感センサー付き照明を取り付けるのもよいでしょう。
また、北向き玄関などの明かり確保には、玄関横の壁に飾り窓をつけたり、トップライトで明るくみせる工夫も必要です。
昔の住まいには、勝手口や縁側など出入り口が何ヶ所もありましたよね。でも、今や1カ所か2カ所。人の出入りだけでなく、モノの出入りも集中するだけに、機能性豊かに、すっきり使いやすくしておきたいものです。
玄関には、靴、傘、服、ベビーカー、掃除道具、小物類…、ときにはゴルフ道具やスキーなども置いたりします。また、新聞、手紙、荷物も玄関にいったんとどまります。そうなると、小さな下駄箱では、とてもじゃありませんが力不足です。おもいきって、玄関の壁面全体を大きな収納にしてしまいましょう。靴や傘、大きな荷物などを、扉のなかにすべて収納。すっきりと整えられた玄関はいつ見ても気持ちよく、すっきりした印象を与えます。
また、玄関収納の一画には、飾り棚を設けたいですね。お気に入りの絵画や小物のほか、一輪挿しを飾るだけでも潤いの空間を演出できます。うちの場合は、母自作の絵手紙を飾ってみましょうか。「えっ、まだ最近始めたばかりだから、ちょっと待って、恥ずかしい!」ですって…(笑)。
昔の和風住宅の玄関は、土間とホールの間の床が50cm以上の段差がありました。ホールの上がり口に設ける材木を「上がり框」といい、その中間に「式台」と呼ぶ板や、「沓脱ぎ石」を取り付け、昇り降りしやすくしていました。
しかし、最近ではバリアフリー化が進み、上がり框も低くなって、行き来しやすく安全になりましたが、靴のひもを結ぶときなど、ひと苦労してしまいます。玄関に30~40cmぐらいの高さの木のベンチがあれば、便利そうですね。ベンチにゆったりと腰をかけて靴を脱いだり履いたり。また、近所のお客さまとのちょっとしたおしゃべりを楽しんだり、大きな荷物の仮置き場所にもできそうです。
最後に、こんなリフォームアイデアを、ご紹介しておきましょう。
昔の式台は床板や正面の戸がはずれて、中に物が収納できるものもあったそうです。それをマネて、床の段差を利用し、カンタン便利な床下収納をつくってみましょう。床下にキャスター付きの下足収納箱を設け、スリッパや靴を入れておくと、便利に使えそうですね。
私がリフォームしたい和の玄関です。ぜひ参考にしてくださいね。(終)
【参考文献】
居心地のいい和風 暮らしを楽しむ家(楽しい部屋別冊・主婦と生活社)
和の住まいづくり(大沢匠著・経済調査会)
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