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第一回、和室のいろは

  • 最終更新日:2015-04-24

第一回、和室のいろは

毎日のくらしのなかで、あたりまえのように目にしているけれど、「和室って、どんな部屋?」と質問されたら一言で答えられるでしょうか。和のリフォームを考える前に、和室の基本知識などについて調べてみました。

毎日のくらしのなかで、あたりまえのように目にしているけれど、「和室って、どんな部屋?」と質問されたら一言で答えられるでしょうか。和のリフォームを考える前に、和室の基本知識などについて調べてみました。

和室の主な構成

和室構成

上の写真が典型的な和室の構成です。和室を一言でいうと、床に座って生活するための部屋のこと。畳を一面に敷いている部屋というのが一般的かもしれません。ゴロンと大の字になり、ヒンヤリとした畳の感触とイグサのにおいを感じる……洋室ではこの開放感は味わえませんよね。生活スタイルが変わって洋風の家が主流になっても、和室の落ち着いた雰囲気は残しておきたいものですよね。さて、和室の構成が分かったところで、こんどは和室の種類や魅力について探ってみます。

真・行・草って、知ってますか?

図1~図3

私もはじめて知りました。文字の書体に楷書・行書、草書があるように、和室の姿も「真・行・草」の3つのタイプがあるそうです。
図1は真の和室。「書院造り」と呼ばれ、武家の住まいがルーツといわれています。銘木の角柱をつかい、床の間、書院、襖などで構成されています。頭の高さには長押(なげし)があるのも特長で、伝統的な形式を重んじる客室に向いています。
行の和室は、真の和室を少しシンプルしたかたちで、床の間の柱に丸太が使われたり、長押や書院が省略されているものもあります。
図2は草の和室の一例。茶室がルーツといわれ「数奇屋」「新和風」と呼ばれます。図のようなタイプは近頃のマンションでも増えてきています。格式ばっていないので洋室との相性がよく、現代的なスタイルが人気を呼んでいます。洋風リビングの隣の部屋に合いそうです。
図3は真・行・草にあてはまらない民家風とでもいうのでしょうか。そば屋さんや居酒屋などで見かけますよね。素朴な雰囲気が特長で、柱や障子、桟までが黒く塗った部屋もよくみかけます。室内に囲炉裏や暖炉などを設けて、暖かく個性的にお部屋を演出したい方に、おすすめです。
和室の間取りを考える前に、まずはどのタイプにするか。部屋の用途や好みに合わせてイメージしてみましょう。

和室の魅力

室内写真1

畳の上にゴロンと寝そべったり、ちゃぶ台を出して食事やお茶を楽しむ。ときにはお客様をもてなす場として、また仏間として使うことも……そして夜には寝室に早変わり。和室の魅力はなんといっても多目的に使えるフレキシブル性にあります。また、テーブルやベッド、ソファ、机などを置かずにすむので、洋室よりも広くスペースが使えるのもメリットです(最近は、いろいろ置いている家庭も増えているけど、本来は畳を傷つけないために家具は最小限にするのが基本なんです)。たくさんの部屋や広いスペースがとれない都市部の住宅では、和室は魅力的だと思います。

最近は、洋風の住まいでも1室は和室を設ける方が増えています。洋風リビングの隣を和室にするマンションも当り前になりました。LDKで食事をした後、ゴロンと横になるというスタイルが落ち着くんですよね。
洋風リビングの隣にしっくり合う和室のリフォームについては、別の機会にくわしく調べることにします。

ところで、「間取り」って何?

リフォームを考える時、まず何を考えるでしょう。私なら間取りをイメージしますが、改めて考えると間取りの「間」って、何をさしているのでしょう。
「間」とは2点間の距離のこと。建物では柱と柱の間をさします。柱を立てることによって間ができ、間取りができます。日本の家の間取りは、柱と柱の間は壁が少なく、襖などの引き戸で仕切った開放的なかたちが特長です。独立性があまりなく、プライバシーがとりづらいのが欠点ですが、家族がふれあいやすい点がいいですね。うちの両親のような夫婦ふたり暮らしや、小さいお子さんがいるご家庭に合っているかもしれません。
柱の話しが出たので、ついでにもうひと調べ…。和室は1間(けん)ごとに柱が見えるのが特長だとか。昔は、節のない柱を選び、いかに良いものであるかをご近所どおしで自慢し合ったそうです。最近は柱が見えない和室も増えましたが、どこかしら和室らしくないので、構造的には必要のない見せるための柱や、表面だけ銘木を貼りつけて和風に見せる例も増えているそうです。それもテクニックのひとつですね。

【参考文献】
和風住宅の知識(小林盛太著・彰国社)
「和」の住まいづくり(大沢匠著・経済同友会)
居心地のいい和風 暮らしを楽しむ家(楽しい部屋別冊・主婦と生活社)
住まい考(三菱商事住まい館GK道具学研究所・筑摩書房)

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