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二世帯住宅リフォームの相場や費用感は？　5つの施工例をチェック

最終更新日：2017-09-15

二世帯住宅のリフォームを検討する際、もっとも気になるのがその相場です。いくらくらいの費用がかかるのか、まったく見当がつかない……という人も少なくないかもしれません。そこで、二世帯住宅リフォームを手掛ける建築設計事務所アトリエ雲の竹岡美智子さんに、具体的なリフォームプランの事例を交えつつ、それぞれの費用感を聞いてみました。

・【ケース1】全面的にリフォームをしたAさん世帯の事例
・◆工事内容と費用概算
・【ケース2】新築の住まいをリフォームした、Nさん世帯の事例
・◆工事内容と費用概算
・【ケース3】Mさん世帯のリフォームの事例1
・◆工事内容と費用概算
・【ケース4】子どもの成長に合わせて変化するリフォームを行った、Yさんの事例
・◆工事内容と費用概算
・【ケース5】増築を行なったAさんの事例
・◆工事内容と費用概算

「まず二世帯住宅リフォームの相場は、部分的なリフォームで坪単価約50万円、全面リフォームで1,000万円～が目安といわれています。過去に工事を行ったお宅を例に、具体的なリフォーム内容と費用の概算を見てみましょう」（竹岡さん）

【ケース1】全面的にリフォームをしたAさん世帯の事例

築年数：35年家族構成/Aさん夫婦(30代)、親夫婦(60代)、子ども2人二世帯住宅は親子世帯が一緒に住むことになるので、生活時間帯の違いを考慮する必要があります。そのため2階建ての住宅を二世帯にリフォームする場合、1階と2階にそれぞれ住み分けるケースがほとんど。Aさん世帯は、食事の時間帯や入浴するタイミングが被らないように、浴室、トイレ、キッチンを別々に設置しました。またメンテナンスが必要な、防水・給排水などの補強なども行なっています。

◆工事内容と費用概算

総工費　約2,800万円工事面積　155.88㎡(47.14坪) 坪単価　59万5,700円

【ケース2】新築の住まいをリフォームした、Nさん世帯の事例

築年数：5年家族構成/Nさん夫婦(40代、50代)、親夫婦(70代) 築5年の住まいをリフォームしたNさんの世帯は、生活音を考慮して間取りを工夫しました。1階は親世帯、2階は子世帯で住み分けています。Nさん夫婦に子どもはいませんが、仕事などで夜遅くに帰宅しても両親に迷惑をかけることなく2階へ上がれるプランを策定。玄関と1階寝室の位置を離し、2階の浴室を1階のキッチンの上に配置することで、深夜に入浴しても親世帯に気兼ねなく生活できるようにしています。

◆工事内容と費用概算

総工費　約1,800万円工事面積　69.56㎡(21.6坪) 坪単価　85万7,000円

【ケース3】Mさん世帯のリフォームの事例1

築年数：28年家族構成/Mさん夫婦50代、母親80代、子ども1人お父さんが亡くなったあとお母さんを呼び寄せ、母親が住みやすい二世帯住宅リフォームを実行。以下は子世帯から提案されて、1階のリフォームを行った事例です。 Mさんは高齢のお母さんに配慮してキッチンを共有。アイランドキッチンにすることで、家事をしながらリビング・ダイニングの様子を見られるようにしました。母親とのコミュニケーションも取りやすく、良好な関係を保っているそうです。和のテイストが好きな母のために、共有リビングに障子を導入。さらに、母親の部屋の近くにトイレを移設しました。

◆工事内容と費用概算

総工費　950万円工事面積　70.8㎡(21.4坪) 坪単価　44万3,000円

提供/アトリエ雲

【ケース4】子どもの成長に合わせて変化するリフォームを行った、Yさんの事例

築年数：20年家族構成/Yさん夫婦(30代)、親夫婦(60代)、子ども2人(6歳、3歳) 子世帯であるYさん宅は、もともと二世帯で住んでいた家の2階をリフォーム。お子様が男女の兄妹で、小さいうちは一緒にいられる子ども部屋にし、成長したタイミングで、個室にする設計にしています。個室間の仕切りを引き戸にすることで、戸を開ければ2部屋分として使用できる工夫も。

先を見越した設計をすれば、子どもが成長した後も快適に過ごせる空間になります。また、収納に関しては、家族がそれぞれ服や荷物をしまえる空間を確保。限られた収納スペースを便利にする工夫を凝らしています。提供/アトリエ雲

◆工事内容と費用概算

総工費　約1,400万円工事面積　99.9㎡(29.9坪) 坪単価　46万7,400円

【ケース5】増築を行なったAさんの事例

家族構成/Aさん夫婦(40代)、親夫婦(70代)、子ども1人(10歳) 子世帯であるAさん世帯が、親世帯を呼び寄せるために増築を行ったケースです。改修したのは2階だったため、屋根の工事や塗装はなく、玄関も一つのままにしました。

1点注意が必要なのは、増築といった既存の建築の床面積を増やす工事を行う場合、着工前に建築確認申請の手続きが必要であることです。アトリエ雲では、忙しい施主に代わって手続きを行なったそうですが、建築主であるご本人が直接自治体に行き、申請することもできます。増築は他のリフォーム工事よりも費用がかかります。そのことも念頭に置いて検討しましょう。