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かつて商業用に使われていたが、空室が目立ち賃料を下げても借り手がなかなか見つからないという問題に頭を悩ませるビル経営者は少なくありません。空室対策としてビルを住宅用にリノベーションできることをご存知でしょうか。ビルの特徴を活かすことにより、様々なメリットが得られます。空室が目立つ中古ビルはリノベーションによって空室率を改善し、賃料のアップも期待できます。中古ビルがリノベーションして価値を高めるには、デザインも重要な要素です。
今回は、マンション経営・アパート経営の方へ、ビルの住宅用リノベーションについて紹介します。
中古ビルをリノベーションして住宅にする方法を知っていますか?住宅コンバージョンと呼ばれ、理想の住宅を手に入れる手段として利用が増えてきています。「ビルを住まいに!?」と驚く人もいるかもしれませんが、2014年ごろより徐々にこの動きは広がってきています。
ビルは元々住居用の建物ではないので、当然キッチンや浴室、洗面台といった生活に必要な水周りの設備はありません。
新たに設備を整えると、配水管や換気扇の設置など大掛かりな工事が必要になりますが、ビルの場合はマンションのように厳しい管理規約がないため自由に設計可能です。
鉄筋もしくは鉄骨構造であり頑丈な造りであることが多いので、壁や柱を撤去して開放的な大空間への大胆なリノベーションにも耐えうるでしょう。天井も高く設計されることが多いため、なおさら開放感は得られやすいでしょう。
他にも大きい窓や広い床面積など、ビルが持つ様々な特徴を上手く活かしてリノベーションすることにより、従来とは一味違う住宅を実現できます。
このように、商業用のビルであっても確かな建築知識を基に丁寧にプランニングすれば、住まいとして活用でるのです。
商業用のビルは都心にあることが多いため、交通の便がよく通勤・通学の時間が短縮できるというメリットがあります。このような住宅コンバージョンのメリットを見てみましょう。
手間と時間をかけて、ビルを住居用にリノベーションする1番のメリットは構造の頑丈さです。耐久性という点では住居用の建物とは一線を画しており、木造と違ってシロアリや腐食の心配がありません。リノベーションのタイミングで鉄骨やコンクリートの消耗度をしっかり確認し、必要に応じてきちんと補修すれば長く受け継がれる住まいになります。
設計の自由度の高さも構造の頑丈さがなせる業です。基本的に住居用の建物に比べ天井が高く設定されているため、実面積以上に広くのびのびとした印象を受けます。まるで外国の家のような開放的なリビングやベッドルームもビルの住宅コンバージョンなら実現可能です。
オフィスビルは居住用に造られた建物ではないので、浴室やキッチンなどの水回りが設けられていないことが多いです。そのようなビルを住居用にリノベーションするときは、水回りを新たに設ける必要があります。水回りがある場合も簡易的な設備であることが多いので、日常生活で使用するには、大規模な改修が必要になるでしょう。
水回りを設ける場合、排水管を新たに配管します。配管で重要なのは、どこに通すのかということです。階下に直接通したり、床下や壁内に配管する場合があります。どの場合も梁や電気配線などに注意して、経路を決めなければなりません。
また水回りは、日常生活において水や湯を頻繁に使うので、必然的に湿度が高くなります。そのためカビや腐食が生じやすいという問題があります。リノベーションで水回りを設ける場合は、換気についても十分検討しましょう。
ビルをリノベーションする場合、通常の住居とは異なる工事が必要になるため、その費用はプランによって様々です。まずキッチンや風呂場など水回りの整備が必要になるので、そこに200万~350万円程度はかかります。それに加えリビング、寝室、玄関、と基本的にはフルオーダーの工事になりますから、工事費用は600~1,200万円と内容に合わせて幅広いです。
そこに工事費の10~20%ほどの設計費が加えられ、更に手数料などの諸費用も加わります。オーダーの内容によって金額に差が出てきますが、1,000~2,000万円くらいの費用がかかると思っておけばよいでしょう。
また、工事期間中に別宅を借りるのであれば、その家賃も計算にいれましょう。ビルを住居用へリノベーションするのは基本的にはすべてオーダーメイドですから、そのプランや費用に関しては、施工会社としっかりと話し合うことが成功への近道です。
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