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予算決めで失敗!実例に学ぶ、リフォームで見落としがちなお金のこと

  • 最終更新日:2017-08-21

予算決めで失敗!実例に学ぶ、リフォームで見落としがちなお金のこと

 
大野光政(おおのみつまさ) 【プロフィール】大野光政(おおのみつまさ)
一級建築士かつ宅地建物取引士という資格の優位性を活かし、消費者目線の中古住宅リフォームなどを手掛ける。「リフォームをわかりやすく、親しみやすく」をテーマに執筆活動も。2006年1月より大金興業株式会社代表取締役。

リフォームの失敗事例はとても大切な教材!

リフォームは頻繁にできることではないからこそ必死に頭を使い、家族や自分のためだからこそ真剣に考えるのですが、それでも予算に絡む失敗や悩みは尽きません。それは施主がリフォームに慣れておらず、「リフォームをすることでどのようなことが起きるのか」、あるいは「リフォームしないことでこれからどんなことが想定されるか」をイメージしきれていないことが理由として挙げられます。  

リフォームが終わった後に「こうしておけばよかった」とか「想定外だった…」という後悔をなくすために、他の方の失敗事例から学び、上手なお金のかけ方を知っておきましょう。  

気が大きくなりすぎて、不要なオプションまでつけてしまう…。

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Aさん(50代男性)は奥様のためにキッチンをリフォームすることにしました。汚れが付きづらく、使い勝手の良いシステムキッチンを探すため、実際の設備を見てから決めようと思い、メーカーショールームで実物を確認することにしました。  

そこで見せてもらったキッチン収納の中に、電動で昇降させることができる棚が追加オプションとして展示されていました。とても便利そうに感じたAさんは、奥様にプレゼントということでリフォーム見積もりにこのオプションを追加してもらいました。  

リフォームが終わり数か月たちましたが、電動昇降棚は使っていないとのこと。実はAさんのお宅ではすでに子どもたちも独立しており、普段使う食器が限られている上、新しいシステムキッチンには食器洗い乾燥機も内蔵されているため、食器を洗って乾燥させ、そのまま次の食事まで入れたままということの方が多くなっています。奥様の手間軽減のためと思っていたことが、実は無駄な設備投資であったことがわかり、後悔してしまったのでした。

【教訓】 リフォーム後の暮らし方や使い方を考えて、本当に我が家に必要なオプションかどうかを見極めること!  

ケチって失敗。もう一度工事する羽目に…。

Bさん(60代男性)は屋根と外壁の塗り替えを検討していました。複数のリフォーム会社から相見積もりをもらって、適正な工事金額と思われる会社と出会うこともでき、用意周到で工事契約に臨んだのですが、リフォーム会社から「そろそろ時期だと思いますが、雨樋の交換は工事に含めますか?」と言われます。しかしBさんは営業トークだと思い、出費を抑えるために雨樋の交換は工事に含めないよう指示し、工事契約をしました。  

工事が終わって1年以上が経過したある冬の日。かなりの雪が降り、雪の重みで雨樋が外れてしまい、その衝撃で外壁の一部が傷んでしまいました。慌ててリフォーム会社を呼んで調べてみると、今回雨樋が外れてしまった箇所の他にも、雨樋そのものの破損や取り付け金具の劣化が見受けられたとのことで、雨樋を全て取り替えることにしました。また外壁に傷がついてしまったところも補修する必要があります。せっかく1年以上前に塗装したばかりなのに、再補修になってしまいました。前回一緒に工事しておけば、足場がそのまま使えた上、外壁の補修もする必要がなかったのにと、Bさんは自分の安易な判断を悔やみました。  

【教訓】 リフォーム会社と打ち合わせする時は、建物の劣化状況などを調査してもらい、工事必要箇所の提案をもらうようにしておくこと!  

リフォーム後の間取りやデザインで想定外の出費が…

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Cさん(40代男性)は広いLDKを作りたいと考え、間取り変更を伴うリフォームを計画しました。構造上の問題もクリアできることになり、内装も思い切って大幅に変えてみることにしました。  

やがて工事が始まりましたが、いろいろな出費がかさむことにCさんは気が付きました。部屋が広くなったことで壁とソファーとの距離が遠くなり、今までのテレビでは画面が小さすぎることから大型のテレビを購入。そして、内装(壁紙)を変えたことで今までのカーテンでは雰囲気が合わないため、新しいカーテンとカーテンレールを購入。さらに家具もいくつか新調する必要が出てきてしまい、あれこれ購入費用がかさんでしまいました。  

【教訓】 リフォームと合わせて家電や家具を買う可能性があることも踏まえて、間取りや内装リフォームを検討しておくこと!  

追加になるのは工事費だけじゃない!

Dさん(50代女性)は同居するご両親のためにリフォームをすることにしました。約2か月かかる大掛かりなリフォームだったのですが、途中、Dさんのご両親からの要望で工事範囲を広げる必要が生じました。取り急ぎ工事を進めて欲しかったDさんは、「追加工事費用はすでにいただいている見積書を踏まえて想定できているので、早めに工事を進めてください」とリフォーム会社に伝えました。  

工事が終わってから提示された請求書を見て、Dさんは自分がいろんな費用を見落としていたことに気が付きました。施工面積に応じて工事費が増えることはわかっていましたが、工事期間が延びてしまったことで、近隣で借りていた工事用車両の駐車場代や、現場管理費も増えていたのでした。   Dさんは改めて追加費用についてリフォーム会社から説明され、納得して代金を支払いましたが、ちゃんと事前に見積書を出してもらうべきだったと後悔しました。  

【教訓】 追加工事が発生する時は、必ずそれに伴う諸費用も含めて見積書をもらうこと!  

工事の優先度や工事費以外の費用など、プロのアドバイスをもらっておこう!

いかがでしたか。工事費用ばかりに目が行きがちですが、建物の劣化状況によって生じる将来の工事費用や、家電製品・家具、そして税金や諸費用と呼ばれる経費もリフォームにかかるお金と考えられます。  

あらかじめ全てを把握することは難しいと思いますが、こういった費用のことについてもリフォーム会社に相談しておき、どんどんアドバイスをもらうようにしましょう。そのような打ち合わせを通して、頼れるプロを見つけることができるのではないでしょうか。

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