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住宅の耐震診断：その概要と、木造とマンションの違いとは

最終更新日：2015-10-02

阪神大震災、そして東日本大震災のように近年日本では非常に大きな地震が発生しています。そのためご自身が暮らしている住宅が、どの程度の耐震性を備えているのかを知っておくことは防災の面から見てもとても大切です。今回は、耐震診断にあたり、事前に知っておくべき耐震基準の基本と、建物の種類ごとに耐震診断の特徴を解説します。

・住宅の耐震基準の概要について
・木造住宅耐震診断の特徴
・マンション耐震診断の特徴

住宅の耐震基準の概要について

国土交通省のホームページによると、建築基準法で定める耐震基準とは、二つの段階に分けて計算し判定を行っています。
・一次設計
一次設計において、現在の新耐震基準になる前の旧耐震基準（現在よりも緩やかな基準）の部分について検証を行います。
旧耐震基準とは「中規模（震度5強程度）の地震動でほとんど損傷しない」とする基準のことで、許容応力度計算（部材の各部が損傷を受けない力の計算）によって判断されます。
・二次設計
二次設計では、新耐震基準によってより厳しくした部分の検証を行います。新耐震基準とは「大規模（震度6強~7に達する程度）の地震動で倒壊・崩壊しない」とする基準のことで、保有水平耐力計算（部材に働く力と変形の関係）によって判断されます。わかりやすく言うと、大地震に対して建物がどの程度変形（これを粘り強さと表現します）して、大地震のエネルギーを吸収し耐えることが出来るかを計算により導き出します。

引用元：http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_fr_000043.html

木造住宅耐震診断の特徴

1~2階建ての木造住宅（従来軸組構法、ツーバイフォー工法）などの住宅の耐震診断についてご紹介します。耐震診断には、自分自身で行える簡易的な自己診断法と、建築士ら専門家が行う一般診断法、精密診断法があります。
一般診断と精密診断における主な診断項目は、大きく分けて次の2点です。

1：地盤、土台、基礎
建物が建っている地盤や、建物と地面をつなぐ土台や基礎部分の状態について現地調査を行い診断します。
2：上部構造
住宅本体部分の診断を行います。まずは、その住宅に必要とされる耐力（必要耐力）を計算し、実際に保有している耐力との比較により診断します。

引用元：2004年度改訂版「木造住宅の耐震診断と補強方法」より　http://jutaku.homeskun.com/legacy/taishin/taishin/shurui_a.html

マンション耐震診断の特徴

マンションの場合は、建物によって鉄骨、鉄筋コンクリート、鉄骨鉄筋コンクリート、壁式プレキャスト鉄筋コンクリートなどがあり、それぞれに診断基準が設定されています。また、マンションの場合は木造住宅とは違い、構造躯体部分以外の非構造部材の診断も必要となります。
■非構造部材の具体例
・屋上受水槽
・外壁仕上げ材（外壁タイルなど）
・敷地内の塀
・エレベータ
・屋外階段
これらについては、大地震の発生時に落下、破損すると住民に大きな被害をもたらす危険性があるため、安全対策上問題がないのか事前に診断したうえで必要な補強をする必要があります。

ホームプロにも、住宅耐震診断に関するさまざまな記事が掲載されています。
「木造住宅と鉄筋コンクリート住宅、耐震リフォーム（耐震工事）に違いは？」(https://www.homepro.jp/taishin/taishin-basic/844/では、建物構造別の適切な耐震補強リフォームについて掲載されています。
「マンションの耐震リフォーム（耐震工事）が難しい理由とは」
(https://www.homepro.jp/taishin/taishin-basic/841/)では、マンションを耐震リフォームする際の、耐震診断のポイントや注意すべき点について掲載されています。
「戸建住宅、ここを補強すれば安心！耐震リフォーム（耐震工事）のポイントまとめ」
(https://www.homepro.jp/taishin/taishin-basic/850/)では、耐震リフォームすべき部位と、具体的にどのようにリフォームしたら良いのかについて細かく掲載されています。

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