親子間で金銭の貸し借りをすると、贈与と見なされ贈与税がかかると聞きました。貸し借りが贈与になるかどうかのボーダーラインを教えてください。
貸借なのか贈与なのか、税務署の判断材料は主に下記の3つです。
貸借なのか贈与なのか、税務署はそのお金の性格を厳しく調べることが多く、贈与とみなされることも少なくありません。最大の判断材料は、第三者(銀行など)との貸借と大差ないもので約束通り返済されているかどうかです。このほか 1. 借り手の所得からみて返済が可能な借金か 2. 返済期間等がはっきり決められ、その内容は妥当か 3. 利息についての約束があるかなども検討されます。親子貸借なら必ず贈与と見られるわけではなく、実際にはケース・バイ・ケースとなります。
無利子で親からお金を借りた場合、きちんと返済していても借りた側は無利子という経済的利益を受けているので、利子分が原則として贈与とみなされます。利子分は、税務上銀行利息程度で評価しますが、贈与税の基礎控除額・年間110万円の範囲なら課税されません。税務署に納得してもらうには、第三者との貸借契約と同様に、正式な(公正証書)金銭貸借契約書を作り、契約内容を詰めることです。遅滞ない返済を証明するため、返済用の銀行口座などを設け、毎月一定額返す方法もあります。また、親が援助してくれるお金を定期預金にしてもらい、これを担保に銀行から安い利率でローンを利用するのも一つの方法です。手続きが簡単でローンの保証料もかかりません。上記の方法は、兄弟や親せきから資金を融通してもらう時も活用できます。
「親子間の金銭貸借」挿絵