父が借地している土地に、父名義の古い家があります。今度私が会社からお金を借りて家を建て替えようと思います。税金の面でどのような問題が出てくるのでしょうか。
不用意にすると課税の対象になりますので要注意。
地主の承諾を得て、息子が父に代金を払って借地権を譲り受けた場合、父は借地権の譲渡による譲渡所得が課税され（分離課税）、地主に支払った承諾料は譲渡費用となり、譲渡所得から差し引かれます。この場合は借地契約そのものを地主と息子が結びなおすことになります。しかし、実際は息子が地主と契約を直接するという例は少なく、通常は息子がそのまま無償で父の借地権を使用し、家を建て替えるケースがほとんどです。
こうした建て替えを不用意にすると、税務署は父の借地権を息子に贈与したとして贈与税を課税します。課税を防ぐ方法として「借地権の使用貸借に関する確認書」を、父と息子と地主の3者連名で税務署に届け出をされるとよいでしょう。ただし、税務署が確認した結果、使用貸借に該当しないと判断された時は、ケースにより借地権または転借権の贈与があったとされることもあるため、注意してください。ちなみに借地の場合は、譲渡、有償・無償の貸借も地主の承諾が必要です。
「借地上の建物の建て替え」挿絵
