マンションの共用部分の管理はどのようになされるのでしょうか。
管理内容は下記の3つに分かれます。決議の仕方もそれぞれ違います。
区分所有者全員をメンバーとする管理組合によって行われます。管理組合は、管理者を選任し管理事務を委ねることができます。マンション、その敷地、付属設備の管理または使用に関することは、規約によって定められます。
共用部分は、法律的には全区分所有者の共用に属し、実際共同で使用するのですから、その管理は建物全体の保全、維持に大きく影響します。ですから各所有者が好き勝手に管理することは適当でなく、所有者全員が協議、決議して管理しなければならないと定められています。管理内容は変更、通常の利用・改良、保存の3つに分かれ、決議の仕方も違います。エレベーターの増設など、共用部分の形状、効用を大きく変え、しかも多額の費用を要する場合には、区分所有者の頭数と議決権割合の両方の4分の3以上の賛成が必要です。議決権割合は、各所有者の専有部分の床面積に応じて決められます。
一人で2戸を所有している場合、決議の頭数は一人です。集会室内部の改装など、軽微な変更や通常の利用・改良は、区分所有者の頭数と議決権割合の過半数の賛成によります。変更、管理の議決要件は、一定範囲で規約により緩和できます。保存は、各所有者が単独で行えます。狭義の管理行為との区別は微妙ですが、共用部分の維持に必要最小限な、玄関の清掃や無断放置された部外者の自転車撤去などは保存といえます。保存行為の決定方法が規約で定められていれば、従わなければなりません。
マンションの共用部分の管理