隣の家が増築して2階建てになりました。私の家は平屋建てなので、隣の家から丸見えです。プライバシーの侵害だと思うのですが、隣の家に対して目隠しの請求はできないでしょうか。
境界線から直線で1ｍ以内にお隣の窓があれば、窓に目隠しをつける義務があります。
民法235条は、隣地との境界線より直線で1ｍ以内に窓をつける場合には、隣家のプライバシーを侵害しないよう、窓に目隠しをつけなければならないと規定しています。あなたの場合、隣家の2階の窓が1ｍ以内に設けられているなら、目隠しをつけるよう要求できます。1ｍ以上距離があるなら、民法の上記の規定からは目隠しをつけるよう要求できませんが、隣人同士の円満な生活のためによく話し合って、譲り合いの精神で解決してください。
自分の生活が他人にのぞかれるのは大変不快だと思いますが、土地が狭く高価な日本では、平屋はむしろぜいたくとも考えられますし、隣人が2階建てにするのもやむを得ないことでしょう。そこで、お互いが相手の生活を尊重して新増築することが必要不可欠となります。隣の人同士の問題は民法で相隣関係として規定されていますが、相隣関係は民法の規定よりも、その地域の慣習が優先されています。そして、建物の密集した市街地などでは「境界から1ｍ以内に建物を建てる場合でも目隠しはつけなくてもよい」との慣習がある場所も多いと思われます。したがって、あなたの住んでいる地域にそのような慣習があれば、目隠しの要求はできなくなります。もっともそんな場合でも、相手方と充分話し合いのうえ解決するよう努力してください。
目隠し請求
