10年以上賃貸経営をしていますが、定期借家権を現在契約している建物にも適用することはできるでしょうか。また、合意して解約すればどうでしょうか。
既存契約の定期借家権の遡及適用
期借家権が新たにできたからといっても、平成12年3月1日以降、旧借家権による契約ができないわけではありません。つまり、旧借家権と定期借家権が併存することになり、まったく新たに契約する場合では、当事者の選択で合意すれば、いずれで契約を行ってもかまいません。もちろん、旧借家権による契約が期間満了や中途解約権の行使で退去があった場合に、次の新たな賃借人と定期借家契約をすることには何の問題もありません。所有するアパート10軒のうち、7軒は旧借家権で、3軒は定期借家軒での契約といったことも充分あり得ます。
しかし、平成12年3月1日より前に旧借家権による契約がなされていて平成12年3月1日以降に契約期限が来て更新する場合には、更新時点で定期借家権に切り替えることはできません。これは事業用、住居用に関わらずそうなっています。
また、住居用建物賃貸借契約の場合、旧借家権による契約を合意解約(たとえ、借主が解約に合意しているという形式をとっていたとしてもです)して、新たに定期借家権契約を締結することは、当分の間できないこととされています。この場合、賃貸期間や広さなどに関わりなく、すべての住居用建物賃貸借に適用されますので注意が必要です。
既存契約の定期借家権の遡及適用
既存契約の定期借家権の遡及適用・チャート