建売住宅を購入する契約を結びました。引き渡しを受ける前に隣家からの出火で建物が焼失しました。この契約はどうなるのでしょうか。
民法では、買主に代金を支払う義務があります。しかし、契約書で特約があるはずなので、内容をよくチェックし、もし特約条項がなければ、売主に交渉して必ず特約を付けてください。
売買契約締結後、履行前に売主、買主いずれの責任でもない理由によって建物が焼けた場合、民法の原則では買主が代金を支払う義務を負います。一方、売主は引き渡し義務を免れ、半焼ならそのままの状態で引き渡せばいいとなっています。履行前なのに、これでは買主は納得がいかないでしょう。民法のこの結論では実際の取引の慣行になじまないので普通は売買契約書で、この原則を排除する特約が付けられています。
「この契約締結後、引き渡しまでに売買双方のいずれの責任でない事由により建物が減失または毀損し、買主が契約締結の目的を達成できない場合、その損失は売主の負担とする。売主は受領している手付金を返還しなければならない」と、損害については売主が負担するようになっています。この特約は契約自由の原則により民法の規定に優先します。特約については、売買契約書により異なりますので、内容をよくチェックし、もし特約条項がなければ、売主に交渉して必ず特約を付けてください。
危険負担
