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縁側といえば、祖父母の家を思い出します。弟やいとこと並んで腰かけてすいかを食べ、ぷっ、ぷっ、と庭に種を飛ばしっこ。そこへ近所の人がやってきて、「この子は○○ちゃん(父の名前)の娘さん?」なんて顔をのぞきこまれた。自家製の梅干を漬ける時、祖母が梅を広げて天日で干していたのもなつかしい記憶です。
家の中にいながら戸外にいるような心地よさ。気軽な社交の場であり、ちょっとした作業の場でもある縁側。その成立ちはどのようなものなのでしょうか。
「濡れ縁」とか「広縁」という言葉を聞いたことがあると思いますが、これらは「縁側」とはべつのものなのでしょうか?
濡れ縁は雨が降りかかると濡れるという意味があり、雨戸など建具の外側にある吹きさらしの縁側、外縁のことをいいます。また、建具の内側にある縁側を内縁といいます。なかでも、幅が一間(1818mm)程度の内縁を広縁といい、畳敷きの広縁もあります。
それと、「縁」という言葉もよく聞くと思います。もともと縁は縁側と同じものを指しましたが、現在は縁といえば外縁(濡れ縁)を指し、縁側は内縁のことを指すようです。
さて、次は建具の外側にある外縁と、建具の内側にある内縁の関係について見ていきましょう。縁側の発生のいきさつがわかります。
わが国の古い時代の民家は閉鎖的なつくりで、開口部はわずかな座敷部分だけだったそうです。そのためそこが出入り口となり、家の中に上がりやすいよう、吹きさらしの外縁をつけるようになりました。やがて外縁をだんだん広くしてゆき、外側に柱を立て、雨戸を設けるようになります。こうして吹きさらしだった外縁は室内化し、内縁に変化しました。そしてさらに内縁の外側に外縁をつけたのです。これは内部空間の外部への拡大で、住空間に自然を取り入れたいという願望の表れなのだそうです。
西欧建築は厚く頑丈な壁で内と外をはっきり区分しますが、日本建築は自然に対して開かれたつくりになっています。縁側は内と外との境界をあいまいにする中間領域なのです。
美術史家の高階秀爾さんは、西欧と日本の自然への接し方の違いが、室内を飾る絵画にも反映されているといいます。17世紀のオランダでは花の静物画が人気でしたが、これは例外なく花瓶に生けられた切花を描いたものでした。一方、同時代の日本では、琳派の画家たちが屏風や襖に草花を描いています。しかし西欧とは違い、池の中で咲き誇るカキツバタや生垣にまとわりつくアサガオなど、いずれも自然の中で花が咲いている光景を描いているのです。自然を遠ざけようとする西欧人と、自然に親しむ日本人。自然観の違いが、絵にも家のつくりにも実にはっきり表れています。
和風建築では、床への上がり方にも二通りあります。ひとつは、玄関や土間など一度建物の中に入ってから上がるやり方。もうひとつは、庭に回って縁側などから上がるやり方。 こうして考えると、日本家屋というのはずいぶんと風通しのいい建物です。通気性はもちろん、人間関係の風通しもよさそうです。
この連載の第一回で上がり框について取り上げたのをおぼえていますか? 玄関や土間の上がり框がコミュニケーションの場であることにふれましたが、縁側に腰かけてのやりとりもなかなかいいものです。いきなり庭に回ってくるのですから、上がり框での人間関係よりもさらに親しい間柄でしょう。おしゃべりがはずんでしばらくすると、ちょっとお茶でもいれてくるから、と奥さんが台所に立つ。待っているほうは腰かけた姿勢のまま座敷を見回し、「ふうん。○○を買ったのね」と、新しく増えた家財道具をそれとなくチェックしたりして……。縁側から見える範囲のプライバシーはのぞいてものぞかれても構わないけれど、それ以上は踏みこまないし、踏みこませない。沓脱石(くつぬぎいし)に履物を脱いで上がりこむなんてことはしないのです。親しき仲にも礼儀あり、をたがいに心得た節度ある近所づきあいが、縁側にはありました。
今は縁側のあるお宅も少なくなり、隣人にさえ不信の目を向ける世の中になりました。私自身、チャイムが鳴っても玄関ドアは細めに開けて、チェーンは絶対はずしません。こんな暮らしをしていると、縁側のある祖父母の家に行きたくなってくるのです。(終)
【参考文献】
『日本民家の造形 ふるさと・すまい・美の継承』(川村善之著・淡交社刊)
『住まいと文化』「居住空間における日本的なもの----西洋建築と比較して」(高階秀爾・住宅金融公庫刊)
『写真でみる日本生活図引4すまう』(須藤功編・弘文堂刊)
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